人生は一度きりだから、
バレーボール以外の夢も叶えたかった
──引退や引退後の活動に関して、いつごろから考えていましたか?
大きなきっかけがあったというわけではないのですが、高校生のときから「いつかバレーボールをやめる日は来るだろう」と思っていました。
というのも、つねに母は「絶対にバレーボールだけ、じゃなくていいんだよ。将来の選択肢はいろいろあるからね」と言って私を応援してくれていたので、他の道も考えていたんです。高校を卒業したら、普通に大学に行くかVリーグに進むか悩んだり、もしくは好きなファッションや美容を学べる学校に通うのもいいなって思ったり。しっかりと考えた結果、バレーボールを続ける選択をしたのですが、大会が終わるごとに「次の大会でやめよう」と考えたり、20代に入ってからは「来年やめます!」なんて周りに言ったりしていました(笑)。
──それでもバレーボールをやめなかったのはなぜですか?
ずっと続けられないとは思っていても、つねに真剣でした。大会を終えると毎回新しい課題が見えてきて悔しくなって、もっと成長したいという気持ちが湧いてきました。そういう意味でも、私にはバレーボールがいちばん向いていることだったのだと思います。また、バレーボールは仲間と行うスポーツで、「みんなと強さを突き詰めたい」「みんなでこの大会、優勝したい!」という思いも原動力になっていましたね。
──引退を迎えるとき、バレーボール関係のお仕事や活動をメインにしようとは考えていなかったのですか?
まったくなかったのです(笑)。コーチやバレーボール教室の先生になったり、試合の解説役を務めたり、といった、これまで先輩たちが作ってくださった道もあると思いますが、それはほんのひと握りの人しかいられない場所ですし、私自身、自分がその場所にいるイメージがわかなかった。引退を考えていた頃には、カフェを出したいという昔からの夢への思いが強くなっていって。バレーボール選手から飲食に進む方は今まであまりいないし、人生一度きりなので興味のあることに挑戦したいと思いました。