過去にカエル騒音問題は訴訟に発展した例も 

また、東京都多摩地区で畑や田んぼを持つYさんはニオイの苦情を受けた。

「肥料を作ってると『臭い!』、草刈り中に『砂埃が飛んできて困る』なんてことを言われるのは日常茶飯事です。その場では謝るけど内心じゃ『こっちは300年も前から畑を守ってる。ここ10年かそこらで引っ越してきて、そもそもうちの土地を宅地に変えた場所に住んでる人たちが何言ってんだ』って思ってるよ」

そう言うYさんだが、今回のカエル騒動により、こんな懸念も口にする。

「農地と新興住宅地が混在する地域では野焼き(植生などを焼却炉以外で燃やす行為)の問題が後を絶たず、平成13年改正の廃棄物処理法で、『農業を営む上でやむを得ない場合』を除き、野焼きが全面禁止になってしまった。
カエルの騒音も、こういった苦情が相次ぐようだと何かしらのガイドラインができてしまうかもしれない。畑近くに引っ越してきた非農家さんは“お互いさま”の精神を持ってくれと願うばかりです」 

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野焼き(※写真はイメージです) 
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だが、実は2021年4月に、すでに「カエル騒動」は訴訟へと発展していた。
社会部記者は言う。

「東京都板橋区の住宅街で起きたこの騒音トラブルは、住人の男性が隣家に『すべてのカエルの駆除』と75万円の損害賠償を求めた訴訟でした。これに対し東京地裁は原告側の請求を『カエルの鳴き声は自然の音の一つで、我慢すべき限度を超えているとはいえない』として全面的に棄却する判決を出しました」

Yさんの心配が杞憂に終わればいいのだが。

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取材・文/河合桃子

集英社オンライン編集部ニュース班