実は大阪うどんのほうが歴史が古い?

うどんの歴史を紐解いてみても、平安時代に空海が中国の饂飩(うどん)を故郷の讃岐国に持ち帰ったことが讃岐うどんの発祥という伝説がある。

しかし、現在につながる大阪うどんと讃岐うどんのどちらの歴史が古いかというと、意外にも大阪うどんのほうが古いとの説もある。大阪のうどん事情に詳しい、とあるうどん店店主はこう話す。

「大阪のうどんの歴史は古く、明治時代に『松葉屋』という店できつねうどんが誕生しています。それが大阪中に広まっていき、当時の大阪はまさしく“うどんの本場”にふさわしい場所でした」

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1946年創業の老舗「道頓堀今井」。当時から続く看板メニューは甘辛く煮込んだ分厚い揚げがのる「きつねうどん」。当時はうどんといえば大阪だったそうだ

一方、讃岐うどんが香川県で浸透したのは、大阪のきつねうどんよりはるかに遅い戦後なのだと、別のうどん店店主が話す。

「香川県に名産品をつくろうと、昭和25年から30年にかけて、うどんづくりの名人たちが香川をまわって作り方を広めたのが讃岐うどんの原点です。
その名人のひとり、竹川二短男(ふくお)さんが1950年に香川県高松市で『川福』といううどん店を創業。
その息子さんが独立して1968年に大阪の心斎橋で今も残る『川福流手打うどん 川福本店』をオープンすると、そのコシのある麺を食べた大阪人は驚愕、瞬く間に人気店になりました。これを機に大阪で讃岐うどんの知名度が上がることになり、その後は讃岐うどんの本場、香川県への日帰りうどんツアーや“うどん県”といった県のPR活動もあって、『うどん=香川』という現在のイメージが確立されました」