うっかり海洋動物に近づくと大変なことに…

360度、海に囲まれたハワイのビーチでは、海洋動物が昼寝をしている場面に遭遇することがある。なかでも、ハワイ語で“ホヌ”と呼ばれ地元民に愛されているウミガメは、ノースショアのラニアケアビーチなど有名な出没スポットでお目にかかれるが、実は絶滅危惧種に指定されており、ハワイ州とアメリカ合衆国の法律により「3メートル以上の距離を取ること」「餌をあげない」「触らない」ことが定められている。

「アザラシに触ったら罰金600万円!?」「あの人気スポットは予約制に…」GWハワイに行く前に知らないとマズイ3つのこと_7
ビーチに上がって甲羅を乾かすウミガメ。見張りの人が監視しているビーチもあれば、見張りがいないビーチもあるので、うっかり近付いてしまわないよう3メートルの距離を意識しよう

その他、ハワイアンモンクシール(あざらし)は15メートル以上、イルカは45メートル以上、ザトウクジラは90メートル以上の推奨距離を保たなければいけない。
ウミガメ以外の海洋動物にはなかなかお目にかかれないが、取材中、運良く西オアフのビーチでお昼寝中のハワイアンモンクシールに遭遇! 神の使いかと思えるほどに神々しい。

ハワイアンモンクシールは世界で最も絶滅危惧のある動物に指定され、約1400頭のみがハワイ周辺だけに生息しており、ハワイ在住者でも遭遇率は低め。とはいえ、ハワイ在住のつんく♂氏がアラモアナビーチで見かけた映像をSNSに投稿しているので、運が良ければ?日頃の行いが良ければ、間近で拝める可能性も。

「アザラシに触ったら罰金600万円!?」「あの人気スポットは予約制に…」GWハワイに行く前に知らないとマズイ3つのこと_8
中央に寝そべっているのがハワイアンモンクシール。監視がいないビーチだったが、ビーチ客の誰一人として15メートル以内に近付くことはしていなかった。
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ハワイアンモンクシール関連でもう1つ。昨年、新婚旅行でハワイを訪れていたアメリカ人夫婦がハワイアンモンクシールに触った映像をTikTokに投稿し、大バッシングを受けたことがニュースで報じられた。当の本人たちは「ルールを知らなかった」と謝罪したが、SNS民によって顔と名前が晒された挙句、500ドル(約6万円)の罰金が課せられ、踏んだり蹴ったりに……。場合によっては、最高5年の懲役と最高50,000ドル(約670万円)を超える罰金が科せられる。

コロナ禍前は、ルールを知らない観光客が「ウミガメに触った」と自慢する声がチラホラ聞かれたが、何気ない日常をSNS投稿することがコロナ渦のスタンダードとなった今は、全世界の人々が24時間体制でSNSパトロール中だ。

海洋動物が出没するビーチには、たいてい注意を促す看板が立っているが、英語のみの表記で日本語訳が書かれていないものもあるので、うっかり観光客テロをしないためにも推奨距離を守った上で海洋動物ウォッチングを楽しもう。

以上、ハワイに行く前に知っておきたい情報3つを現地よりレポート。観光ルールやマナーが多少変わったとはいえ、マスクから完全解放された笑顔溢れる島、ハワイはコロナ前と変わらず無償の癒しを与えてくれる。次の休暇はハワイで決めよう。

※1ドル=約134円(4月27日現在)

取材・文・撮影/井上慶