カルシウムは一定量摂取

そしてこの話をするとお相手のカルシウムも控えたほうがよいかと思われがちだが、じつは逆だ。カルシウムは一定量摂取したほうがよい。
最初は意味がわからないと思うが、理屈としてはこうだ。
カルシウムもシュウ酸も、腸で吸収されて腎臓に運ばれる。そして、カルシウムをしっかり摂取しておけば、先に腸でシュウ酸と化学反応を起こしてくれる。そうなると、腸で吸収されずそのまま便となって排出されるのだ。

現に9万人のデータを対象にしたアメリカの研究でも、食事からカルシウムを多く摂取していた人のほうが、結石ができにくかったという報告もある。

「10人に1人が胆石持ち」「激痛の尿管結石」… なぜ人間の体に石ができるのか? 予防医学の提唱の医師に聞いてみた!_4
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●予防方法
・カルシウムを多く摂ること。1日600-800mg のカルシウム摂取が推奨されている。
・クエン酸は尿の中でカルシウムと結合して、結石ができるのを防いでくれる。梅干し、レモン、カシスなどのクエン酸が入った食べ物も効果的な場合がある。
・尿酸値が高い人はしっかり下げる取り組みを。


大体1日600 ~ 800mg のカルシウム摂取が推奨されているが、これがなかなか意識していないと難しい。日本人のカルシウムの平均摂取量は505mg とかなり少ない。骨粗しょう症などへの影響も含め、「カルシウム摂取」はさまざまな観点から優先順位的にはかなり意識を強めるべきなのだ。

また先ほどの救急車の例のように、尿管結石は夜中に多い。寝ているときは体内の水分が起きているときより不足して、少し脱水気味だからだ。

●予防方法
当然ながら水分摂取になる。1日2リットルの水分摂取をおこなった場合、5年間の再発率が15% 低下したというデータも存在する。

繰り返す尿管結石に苦しめられている人は、ひたすら体内に水を投入することが大事。

『怖いけど面白い予防医学 人生100年、「死ぬまで健康」を目指すには?』(世界文化社)
著者 森 勇磨
「10人に1人が胆石持ち」「激痛の尿管結石」… なぜ人間の体に石ができるのか? 予防医学の提唱の医師に聞いてみた!_5
2023年3月19日
1,870円(税込)
単行本:262ページ
ISBN:4418234004
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