発売直後に完売、好調に見えたが…

発売1週間で1カ月分の販売予定数量が完売し、欠品に陥ってしまうほどの売れ行きだった。

好調のようにみえたが、じゃがいもが不足するという事態が発生。2016年、生産地の北海道を直撃した台風により起きた「ポテトショック」だ。

その後、ブランドを活性化させるため、ユーザーの需要を探り期間限定品など味のバリエーションを出し続けた。しかし、再び伸び悩んでしまう。

「会社の再生をかけて挑んだ商品をなんとかしないといけない。でも打ち手がない、と困窮していたのが2019年頃です」と小幡さんは話す。

ときを同じくして、営業だった髙戸さんがマーケティング部に異動し、プライドポテトの担当になった。

「バリエーションがありすぎることによって、売上が分散していると感じていました。まだ2年しか経っていないからこそ、象徴となるフレーバーをつくっておかないと将来がみえない。

だからこそ原点に立ち返って、本当においしい自信のある一品を取り戻そうとしたんです」(髙戸さん)

だが、社内からは反発の声が多数上がった。アイテムを集約してしまうと、販売機会の損失につながりかねないからだ。

「湖池屋プライドポテト」大ヒットの裏側にあった“社内闘争”。少子高齢化で頭打ちのスナック菓子市場に「会社の再生をかけてなんとかしないといけない」_7
板橋区の湖池屋本社にて
「湖池屋プライドポテト」大ヒットの裏側にあった“社内闘争”。少子高齢化で頭打ちのスナック菓子市場に「会社の再生をかけてなんとかしないといけない」_8
ポテトチップスの発売当初の写真が飾れている
「湖池屋プライドポテト」大ヒットの裏側にあった“社内闘争”。少子高齢化で頭打ちのスナック菓子市場に「会社の再生をかけてなんとかしないといけない」_9
当初、ポテトチップスは手作業で釜揚げしていた