日本人女性2人目のプロゲーマーとして

――それが2016年頃ですね。その頃からeスポーツの知名度も上がっていきます。たぬかなさんは、日本人女性として2人目のプロゲーマーでビジュアルも整っているので、メディアとしては重宝されたのではないですか。

オファーはかなり来ましたね。ただ、それが嫌われる原因にもなってました。

私は女性で取り上げられやすい分、私より先輩で実績ある人が、実力はあるのに注目はされない。「俺より弱いのに女ってだけでたぬかなは仕事をいっぱいもらってる」「俺より高い金をもらってる」と嫌われましたね。やっかみに近いんですけど。

当時は若かったし「どうして」「私は頑張ってるだけなのに」と、なんで嫌われとるのかもよくわからなかった。可愛い時代でした。

炎上騒動後5000万円でAVオファー、鬼のように届くパパ活の誘い、会社員時代には激務で失禁…。日本人女性として2人目のプロゲーマー・たぬかなの理不尽な誹謗中傷に負けない生き方_6
すべての画像を見る

――女性プロゲーマーというだけで理不尽な誹謗中傷も多かったそうですね。

勝ったら「裏で男が代打ちしてる」と言われて、負けたら負けたで誹謗中傷される。ゲーム社会自体が女にとってはやっぱり生きづらくはありましたね。誹謗中傷に対して、今ほど達観はできていなくて、いちいち怒って、いちいち反論してました。

――今はそうした誹謗中傷にはある程度は耐性がついているんですか。

今はブスとか言われても怒らないですね。ただ「俺は正しい」と思ってるやつがめっちゃ多くて「なんで、この世の中って頭の悪い人がこんなにたくさんいるんだろう」ってけっこう絶望してます。ストレス解消でやってるかもしれないんですけど、その心の小ささに。

スシローで炎上した高校生の通う学校に電話するのはいきすぎた正義感じゃないですか。私が炎上した時も実家にすごい電話がかかってきた。しかもおとんや弟が出たら電話を切って、おかんやバアちゃんが出たら怒鳴って、電話口で謝罪させるんです。

自分が正義だと主張して気持ち良くなるために、そういうことをするのが本当に気持ち悪い。ちょっと頭が良ければ、絶対そんなことしないんですけどね。やってることが気持ち悪いって自分でわかるから。