育休取得前に夫婦がお互い納得する取り方を考える

「そもそも子どもの誕生というのは、人生にとって、とても喜ばしいイベントですよね。
また第一子の場合は夫婦二人から家族三人になるタイミングです。
だからこそ家族としてどうしていきたいか、お互いの価値観をすり合わせしておいたほうがいいと考えています。
出産までに、二人でどうやって育児に取り組むのか? 産後をどう乗り切るのか? じっくり話し合うことが必要だと思います。そうすることでいつ育休をとるべきか、育休中はどう過ごせばよいのかが初めて見えてくると思います。」(高橋さん)

育休取得の考え方は、それぞれの夫婦によって異なるものであり、自分たちの納得のいくベストな形で取ることが重要とのこと。

同社では「とるだけ育休」を防ぎ、産前から夫婦で育休について話し合いながら学べる「育休ガイドブック」を作成。

二人でどんな家族にしたいか、育児をどう取り組むかなど、漫画やワークシートで学べる内容になっている。
パパ1人で赤ちゃんとお留守番をして、おむつ替えやミルク・離乳食をあげるなど、どんなことを育休中にするかについて具体的にまとめられているのが特徴だ。
自治体や企業と取り組んでいるワークショップの教材として使われている。

2023年4月 企業の男性の育児休業取得率の公表が義務化。パパの “とるだけ育休” を防ぐにはどうしたら?_2

「これまでは男性育休というと、産後の一番大変な時期だけ仕事を休んで家事育児を手伝い、サポートするという捉え方が多かったように思います。
また、企業が男性に育休を奨励することによって、家族としてどうするかより、とりあえず取らないといけない、休まないといけないみたいことが先にきてしまうと、“とるだけ育休”のような結果を招いてしまいます。

でも、子どもが誕生するということは、育休中の話だけではなく、今後子どもと向き合う 時間を夫婦で一緒に作っていかないといけません。
このタイミングこそ、家族の未来像を描いたり、家事育児分担について話し合ったりするのにはとてもいい機会です。
育休はふたりの共通の目的をスタートさせることができる絶好のタイミングだとも思うので、今後どんな家族になりたいのかを考えるきっかけにしてほしいという気持ちで作りました。

企業側にとっては、従業員に対する仕事と家庭の両立支援として捉えて活用いただいていますし、自治体にとっては住民と向き合い、さまざまな支援制度や取り組みに関する訴求する機会として評価いただいています」(高橋さん)