アルツハイマー病も花粉症と同じ病気
ミクログリアは免疫担当です。神経細胞を破壊するのが仕事ですが、実は胎児から幼児の時の脳全体の形と配置を決めるのもミクログリアです。つまり、ミクログリアは脳の発達の司令塔なのです。
脳の機能として重要な〝記憶〟は、シナプスが伸び神経細胞間が網の目のようにつながって作られます。ミクログリアは夜間にこれらのシナプスのつながりを適度に切り、これによって記憶を固定させます。ミクログリアは記憶の形成に関わっているのです。
腸内フローラが悪くなると脳に炎症が起こり、脳内には炎症性サイトカインである IL-1、IL-6、TNFαが増加して、このサイトカインによってミクログリアが神経細胞を攻撃します。
サイトカインはさまざまな細胞が連携をとるための情報伝達物質です。炎症性サイトカインは他の細胞に「炎症を起こせ」という指令を出しています。いずれにせよ、花粉症とうつ病は炎症によって起こる病気です。
実は、良好な腸内フローラはこれらのさまざまな炎症を強力に抑えています。
アルツハイマー病の増加は高齢者の増加が原因と考える人が多いかもしれません。
そして、アルツハイマー病ではアミロイドβというゴミが脳に蓄積するということ は、多くの方が知っているでしょう。ゴミは高齢になれば蓄積するのは当たり前ですが、実は、アミロイドβが溜まったことと脳細胞が死滅することはまったく違うのです。
多くの製薬企業が、蓄積したアミロイドβを減らしたり、蓄積させないような薬剤を探索してきました。ところが、アミロイドβを減らしたり、蓄積させないようにしても認知機能の低下を防げないことがわかってきたのです。
その結果、ほとんどの巨大製薬企業は、2019年までにアルツハイマー病治療薬の開発を諦めました。
最終的に認知機能を低下させるのは、脳に存在する免疫細胞(ミクログリア)が神経細胞を破壊することが原因だったのです。
免疫の暴走をコントロールするのは腸内フローラです。腸内フローラが悪くなれば免疫は暴走します。その腸内フローラを悪くする主犯は抗生物質なのです。
アルツハイマー病も抗生物質が増やしている病気なのかもしれません。