近年は車両検問がメイン
――よっしー部長は、一日で何件くらい職質を行っていたのでしょうか?
多い時には一日で300~400件くらい。営業職と一緒で「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」です。一番多い時で、年間で44人検挙したんですが、3当直に1回検挙するペースでしたね。
近年は、車両検問からの職質で捕まえるのが自動車警ら隊(以下、警ら隊)の主流ですね。
――その検問は、よくある飲酒検問とはまた別ですか?
全くの別物で、犯罪検挙したいがための車両検問です。車を停めて「お酒飲んでないですよね?」と聞く警察官がいますが、あれはただの職質のきっかけ作りで、実際は車の中を見て、ナイフや木刀、薬物など、違法所持のものを探したいだけ。
極端なことを言うと、その車両検問で「明らかに飲酒している」というドライバーがいたとしても、危険なものが何も見つからなければ、見逃すこともありました。
――なぜ飲酒運転を見逃すのですか?
警ら隊のメインは刑事事件ですが、飲酒運転は道路交通法違反なので、検挙しても点数が低いんです。あとは、飲酒運転者を捕まえた後の処理がかなり面倒で、時間もかかります。
つまり点数を稼ぎたい人からすれば、「面倒だからこれは見逃して、他の犯罪を見つけよう」となるんです。先輩のやり方を見て学んで、僕も同じようにしていました。