子供たちの遊び方は一変した

昔は不登校になって家にひきこもっても、することがほとんどなかった。部屋の本棚に並んでいる漫画を読むか、昼寝をするくらいしかなかったのだ。だから、不良となって徒党を組んで悪さをする者が大勢いた。

だが、ゲーム機やインターネットの登場によって、子供たちの娯楽の幅が急激に広がった。スマホを手に取れば、半永久的にゲーム、SNS、動画などを楽しむことができるし、ネットフリックスやAmazonプライムに接続すれば好きなだけ映画やドラマを見ることができる。

こうなると、子供たちは無理して不良グループに身を投じるより、安全な部屋で自分だけの世界に没頭する方がいいと考えるようになる。そこに学校の問題、家庭の問題、子供自身の特性、社会の風潮といった無数の要因が絡み合い、ここ十数年で急激に不登校の生徒が増えていくようになったのである。

現在、不登校の小中学生は、全国に24万人あまりとされている。不登校予備軍を含めれば、1クラスの2、3人がそれに当たるのではないかともいわれている。

近年、通信制の高校に進学するのは、主にそうした不登校、あるいは不登校予備軍の生徒たちだった。他の生徒とかかわるのが苦手とか、いじめが怖いとか、発達の特性があるといった理由で、あまり人と接触することなく自分のペースで勉強をしたいという理由で進学を希望しているのだ。

「学校へ行くのは時間のムダ」。なぜ少子化の中で通信制高校の志願者は増え続けているのか? 現場教員が指摘する2つの要因_3

こうした志望動機は、生徒たちが自分に合った学びを選んでいるという点で、歓迎すべきことだと思う。一人ひとりの個性に合わせて、適した学び方を選択するのが一番だ。

だが、学校の教員たちの中には、ここ数年でまた少し違う風潮が生まれているという意見も出てきている。