インティマシー・コーディネーターの誕生
女優アリッサ・ミラノの「もしもあなたが性的虐待や嫌がらせを受けた経験があるなら、このツイートに“MeToo”とリプして」のツイートが猛烈な勢いで拡散し、#MeTooをつけて被害を訴える女性の声は日増しに増えた。と同時に、性暴力とセクハラが社会に蔓延していることを誰もが再認識させられた。
その波は映画界はもちろん、音楽界やファッション界、スポーツ界、さらには政財界にまで広がった。ビル・コスビーやルイス・C・K、ニューヨーク市長アンドリュー・クオモやイギリスの労働党議員クリス・マセソンなど、多くの権力者が辞職したり解雇されたりする事態が発生。
記事で告発されたワインスタインは2020年2月にニューヨークでレイプと性的暴行に対する有罪判決を受けて刑務所に収監され、今もまだカリフォルニア州とイギリスの事件に関する裁判を待っているところだ。
日本では水原希子の提案で映画『彼女』(2021)に、性的場面やヌードについて監修、俳優をケアするインティマシー・コーディネーターが導入された。アメリカでは昔からあった職業かと思いきや、実は#MeTooの影響を受けて、2018年にTV界が導入したのが最初だとか。
俳優の意図を尊重する専門家がいなかった時代に撮影された『ロミオとジュリエット』(1968)主演のレナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセーが、未成年のうちにヌードシーンを撮られた他、数々の性的ハラスメントを受けたとして映画会社パラマウントに対する訴訟を起こしたが、今後も同様の訴訟が起こるかもしれない。