メディア報道への違和感からTwitterを開設

愛人とラブホテルで覚せい剤・大麻所持で逮捕。すべてを失った高知東生が、依存症回復途中の今、いちばん人生で楽に生きられている理由_3

――メディアの報道については、どんなことを思っていますか。

逮捕されたあと、2年間くらいはずっと死にたいと思ってましたよ。メディアはないことないこと書くし。あることないことじゃないよ、ないことないことだから。でも自分には反論する手段もないし、気持ちも最低まで落ち込んでるし、執行猶予中で身動きもとれないし。それでTwitterをはじめたんです。

当事者としてつくづく思うのは、マスコミは正しい知識を持たないまま、自分たちのストーリーにあわせて依存症の人たちを扱うんです。逮捕されたあとに出演したテレビ番組では、打ち合わせの段階では回復に向けたステップについて話す予定だったのに、本番の直前になって急に「深刻な顔でお願いします」「反省している感じで」って。
しかもテロップで「薬物の恐ろしさ」みたいな言葉がでるわけですよ。もうインタビューでも何でもなく、芝居をつけられるんです。

ある雑誌のインタビューでは、俺は一言もそんなこと言ってないのに、記事の原稿を読むと、締めに「元妻のことを今でも愛している」って書かれていた。一体何がどうなるのか、わけがわからない。あまりにも無責任で、間違いだらけ。

でもTwitterなら誰の演出もやらせも入らない。肩の力を抜いて、ありのままを、そのまま発信できる。だから最初に言ったように、Twitterは自分のためにやっているだけで、誰かに何かを教えようとか、いいこと言ってやろうとか、そういう考えは一切ないんです。

――それでも、たくさんの人が高知さんの投稿に共感や学びを得ていますよ。

俺ほど男社会に染まりまくって、何でも根性論で、虚勢を張りまくってきた人間はいないですからね。それが今では、男とか女とか、年上とか年下とか、まったく関係ないってことが分かった。一人の人間として向き合う、相手のことを認める、それだけ。生きているだけで努力してるんだから、リスペクトしかない。そういうことがわかってから、今はすっごい楽。肩の力、抜けまくりですよ。