団塊の世代800万人の死が目前に。火葬代費用は税金で補填されている現在、火葬後の残骨灰から金歯や貴金属を“採掘”されるのは避けられない?_3
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残骨灰はどこへ行く?

有価金属を選り分けられた残骨灰は、どうなるのか? 公共福祉である、火葬に税金が補助されていると頭では理解しても、“行方の説明”がなければ、死後の自分が物のように扱われる不安がつきまとう。

「自治体により方法は異なるとはいえ、供養をしています。また、自然サイクル保全事業共同組合が、『全国火葬場残骨灰共同供養会』を行っていますね。以前、大阪の方から合同供養に出席し、息子さんを見送ったことで気持ちが晴れたと聞いたことがありますから、火葬場に聞くなどして参加されるといいかもしれません。

骨は物ではないので敬意をもって取り扱わなければいけませんから、このようなことも含めて情報を表に出すことで、得られる安息もあると思います」(前出・長江さん)

ダイオキシンほか有害物質が付着している場合もある残骨灰。有価金属を抽出するだけでなく、有害物質の除去も行われた上で各自治体は供養をして最終埋葬地に納骨している。誰にでも平等に訪れる死に対して、基本的には故人の尊厳を最大限に守っているのだ。

そして、各自治体も残骨灰の取り扱いについて市民に問いかけはじめている。
例えば、大分市は2022年9月に有識者を集めて残骨灰処理のあり方について検討会を開き、市民アンケートを行ったことが、小さい扱いながらニュースになった。

『令和4年度さいたま市インターネット市民調査』にも、設問があった。結果は、「残骨灰が残ることを知らない」が43.7%、「残骨灰に有価物が含まれていることを知らない」が54.6%、「火葬残灰の有価物を火葬場運営に役立てている市町村があることを知らない」が85.4%で、認知度は低い。それでも、設問されることで、知られていない事実を知ることが重要だ。
※さいたま市は有害物質を除去、供養して埋蔵

残骨灰にまつわる情報が徐々に広まっている傾向にあるが、「2025年問題」を控えて議論がより活性化することが望まれるのが、日本の現在地といえる。

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取材・文・撮影/Naviee