夢は…番長!
――北九州の成人式は、“日本一ヤバい”成人式として有名ですが、当時から喧嘩とかもあったんですか?
喧嘩? ない、ない、ない。みんなもう20歳ですよ。中学高校の6年間で勝負はついとうけ、それぞれの立ち位置は決まっとるし、喧嘩になるなんてことはないですよ。顔を合わせても「おぅ、元気?」みたいな感じですよ(笑)。
――ということは…望月さんも、中高の時は喧嘩に明け暮れていた?
やってましたね。もういやっていうほど(苦笑)。これは北九州の風土やろうけど、“喧嘩には負けるな!”ちゅうのが厳然と続いていて。「喧嘩に負けた!? お前はそれでもオレの子か? 勝つまで帰ってくるな」と、くらす(殴る)親が多かったですからね。親に怒られたくなければ、もう強くなるしかないみたいな感じやったですから。
人生の目標は、「番長になって、地区制覇!」って思ってるやつがそこら中にいて。オレもその一人ですけどね(笑)。
――そのまま、漫画の世界です(笑)。
いやでも本人たちはいたってマジで。オレも小学校のときに兄ちゃんの影響で読んだ、『週刊少年ジャンプ』のヤンキー漫画『ろくでなしブルース』にドハマりして。夢は主人公の前田太尊になる!やったですからね(笑)。
――スポーツには興味がなかった?
中学で柔道、高校では空手をやってました。
――なるほど。だから喧嘩にも強かったんですね?
いやそうじゃなくて(苦笑)。順番が逆です。柔道と空手をやっていたから喧嘩が強いんやなくて、喧嘩に強くなりたいから柔道と空手をやりよったというね。まぁおかげで喧嘩では一度も負けたことがなかったですけどね。
――変な質問になりますが、中学生、高校生の喧嘩というのはどこまでやり合うものなんですか。
オレの喧嘩はステゴロ(武器を持たずにコブシで殴り合う)で、相手が“まいった”と言うまでやね。ごめんなさいって言ったらそれ以上はやらない。
一回喧嘩したらみんな友達!みたいな感じやったね。『ドラゴンボール』と一緒ですよ(笑)。
――結果、夢だった番長まで上り詰めた?
中学は割と簡単に(笑)。高校は漫画の『クローズ』の鈴蘭と鳳仙と同じように、バリバリのヤンキーが集まる高校ともう一校、『池袋ウエストゲートパーク』のような街っ子チーマーの高校があって。オレはバリバリのヤンキーに憧れてたけん、そっちに行きよったよ。