牛骨ラーメンでだまされ数千万円の負債
1993年、“新加勢大周”としてデビューした坂本一生。だが、本人の意思とは無関係に与えられた名前に連日の大バッシング。その後、突然の改名。芸能界の光と影を一身に浴びた末、彼は表舞台から姿を消し、やがて路上生活にまで追い込まれていたという。
――便利屋を辞めた後は、どのようなお仕事をされていましたか?
坂本一生(以下、同) その他にもいろんな仕事をしたんだけど、これまたトラブル続きで…。鳶職で一人親方になった時には、足場を組んでいる途中、家と足場の隙間にスポッと落っこちちゃって。まるでアニメで頭をぶつけたときみたいに、目の前に星がピカピカ出ている感覚だった。
その日は普通に仕事したんだけど、次の日の朝にファストフード店でハンバーガーを食べようとしたら、ものすごい激痛が走ってね。仕事終わりに病院でレントゲンを撮ってもらったら、「顎の骨が折れてます!」と、全身麻酔で緊急手術になって。
だけど、体がでかいからか、なかなか麻酔がきかなくてね。2カ月入院したんだけど、1カ月は流動食で過ごしたからちょっと痩せちゃったね。今でも頬にその傷が残ってるよ。
――その後の2017年に経営されていた牛骨ラーメンの店では、坂本さん自らが腕をふるっていたとの記事もありましたが…。
アレもね、結局だまされちゃって。僕が抜けた後にラーメン屋に負債ができたらしいんだけど、もう関係ないのに数千万円の負債がこっちに来ちゃったりね。会社の登記簿からも名前が抜けていたのに、「坂本一生が経営するラーメン屋が従業員に給与を未払いしている!」なんてありもしないことを記事をされたり。
それとは別の話だけど、お世話になってる社長に呼ばれてイベントに行ったら、それがネズミ講、いわゆるネットワークビジネスで。「あの坂本一生も来る!」って、勝手にその会社の広告塔にされそうになったこともあったり。有名人とか、利用できるものは骨の髄までしゃぶろう!という輩が多かったんだよね。
――坂本さんは人に騙されたり裏切られたりした経験が多いようですが、そうしたとき、どのように気持ちを立て直してきたのでしょうか。
僕、基本的に脳みそも筋肉だから(笑)。いや、メンタルが強いんじゃないかな。若い時はイエスマンで自分の意見がなかったし。今のような感覚でいたら、もう少しうまく立ち回れたんじゃないかなと思ってます。
――やはり、芸能界でのバッシングや仕事上のトラブルで、メンタルが鍛えられたのでしょうか。
それでも、辛くなって自死を考えたこともあったね。20代の頃かな、全てが嫌になって、もう富士の樹海で死のう、と思って。心がズタズタのまま車を走らせたんだけど、山で道に迷っちゃった。もうアホらしくなって、朝方通りかかった車に乗ってたカップルに、「おーい!助けてくれー!」って呼びかけて救ってもらったことがあった。
そんなことを乗り越えたから、今は何を言われても動じなくなったのかもしれない。人間だから、ファンもいればアンチもいる。悪口を言われても、逆に注目されてる、まだ覚えててくれているんだ、って。「誰この人?」と言われるよりは、悪口でもコメントしてくれる方がありがたいよね。













