お雑煮知識#1
「丸餅か角餅か」「すまし汁かみそ仕立てか」「野菜はどれ?」…お雑煮に正解ってあるのか、研究家に聞いてみた はこちら

ほや、穴ぼこ豆腐、ブリ、その土地ならでの具材が主役

宮城県石巻市
ほやの旨味が凝縮!「ほや雑煮」

4ヵ月前から仕込む「鮎出汁雑煮」、きなこは味変ではなくマストの「きなこ餅雑煮」… 全国びっくりご当地お雑煮7_1
左:ほや雑煮 みぎ:海のパイナップルと言われている「ほや」
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「ほや」とは海のパイナップルと言われている脊索(せきさく)動物の一種です。お酒が進む食べ物と言われていて、夏が旬なので、お雑煮には乾燥させた干しほやが使われていました。
干したほやで出汁を取り、戻したほやは、ほかの具材とともに入れることで、旨味が広がります。今では、冷凍した蒸しほやが地元ではよく使われています。
ほやは藩主の伊達政宗公が大変好んで正月にも食べていて、豊臣秀吉にも献上したという話が残っています。
また、ほやの橙色は、「代々」の字を当て「子孫繁栄」を意味し、縁起物としお雑煮の具材にもぴったりなのです。
農林水産省は2022年「農泊 食文化海外発信地域(SAVOR JAPAN)」として宮城県石巻市が認定していて、地元の観光推進として道の駅などでほや雑煮のメニューを強化したり、ほや雑煮を提供する飲食店をPRしたりするなど、ますます目が離せないご当地お雑煮です。