YouTubeのおかげで世代を超えて知ってもらえる

【漫画あり】紅白出場から32年、漫画で話題! 今も再結成が望まれる「たま」。元メンバーは「もともと商業的に売れると思ってやったバンドじゃないんで…」_3

――これ以上シンプルなバンド名もそうそうないですもんね。

あと、バンド名で音楽性がわかるような、「なんとかブルースバンド」ならブルースやってるんだなとか、そういうのじゃなくて、バンド名だけじゃどういうジャンルかわからないのにしたいっていうのもあって、名前としてしか意味のない言葉にしようと。
そこら辺に歩いている猫を、名前知らなくても適当に「たま、たま」と呼んだりする、その「たま」でいいんじゃないかって(笑)

――犬でいうポチみたいな、漠然とした名前ということですよね。

あと、「たま」っていう言葉は非常に色々なところで使われていて、先ほど通ってきた蕎麦屋さんでも(取材場所の近くに「たまの里」という蕎麦屋があった)、ひらがなの「たま」は色々なところで使われてるんですよ。それを見るたびごとに僕らのことを思い出してくれる(笑)。
なんでしたっけ、あの映像の中に……ああ、サブリミナル効果!

――なるほど、あちこちで「たま」を思い出すと。当時、「たま」という名前は僕ら小学生ファンの間でも議論の的になっていてあれはつまり球体で、「地球」を意味しているんじゃないかとか言っていました。

この間、イベントでお笑いの「どぶろっく」とご一緒して、楽屋で一緒だったんですけど、あの人たちは下ネタばっかりやってますけど、「僕ら昔、『玉』っていうバンドやってましてねー」と言ったら、「ネタにさせてもらってます」って言ってました(笑)

――「たま」には本当に色々な意味がありますもんね。ちなみに今回の漫画化によっての反響はあったりしますか?

それは結構ありますね。まったく僕らのことを知らなくて漫画を読んで、「今もメンバーの人が活動してるんだ」って知って僕らのライブに来てくれたり。親が買った漫画を子どもが読んでYouTubeで検索して「たま」の曲を聴いたり。そういうパターンも多いんですよ。

――なるほど、漫画から入って「たま」を知るという。

僕らのことをリアルタイムで知ってる人はだいたい45歳以上とかなので、イカ天だって30年以上前ですから。
でも、結構、10代、20代の人もライブに来てくれて、「何で知ったの?」って聞くと、だいたい親が持ってたか、「変なバンド好きなら聞いてみろ」って誰かに教わって、YouTubeとかで聴いたらハマったとか(笑)