沼って一体なんだ?
–––––ここ数年「沼にはまる」という言葉をよく耳にします。そもそも「沼」って何なんですか?
何かに夢中になり、はまってしまい抜け出せなくなることを指しますが、これだけでは今までの“オタク”と大差ないと思います。むしろその偏愛ぶりを隠さず、誇らしいとさえ思っているのが、沼にはまった状態です。
–––––確かに“オタク”というと、かつてはどこか暗く自分の趣味をこっそり楽しむイメージでしたが、それが変わってきたんですか?
例えば『宝塚歌劇団を観てヅカ沼にはまりました』『婚活沼にはまっています』『昨日からあの俳優に沼です』というように、はまっている人はどこかキラキラとした雰囲気をまとい、少々自慢げに自分のことを語る傾向があるんです。
–––––キラキラですか!? 何かにはまっていることは恥ずかしくない、むしろカッコイイと思うようになったということでしょうか?
2010年に経済産業省に“クール・ジャパン室”が設置され、アニメ、ゲームを含む、日本のサブカルチャーにスポットが当たり、潮目が変わったんですよ。オタクがカッコイイものになり、自分がどれだけ対象に愛が深いかを語るようになったんです。「沼」という言葉もちょうどその頃(2010年頃)から見られるようになりました。