東京・秋葉原にある「e☆イヤホン」秋葉原店 本館は、日本最大級のイヤホン・ヘッドホン専門店として、2万5000アイテム以上のポータブルオーディオを販売する。さらにはオーダーメイドできるイヤーピースなど各種アクセサリーも多数取り揃えている。初心者からマニアまで、欲しいアイテムがきっと見つかるイヤホンの“聖地”と言ってもいいだろう。

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e☆イヤホンの秋葉原店 本館

訪れたのは東京・秋葉原店 本館。平日午後だったが、中高生からシニア世代まで多くのお客がひっきりなしに出入りしていた。店内には所狭しとさまざまな商品が陳列されている。同店では基本的にすべて試聴できるため、人気商品には順番待ちの列ができていることもしばしば。

今回は、e☆イヤホンWEB本店で店長を務める東谷圭人さんに、売れ行き好調なマニアックなイヤホンやヘッドホンを紹介してもらった。 

約50万円のドイツメーカー製イヤホン

まず案内されたのは、ハイスペックなイヤホンが並ぶコーナー。その中でも群を抜いて高価な商品が、ドイツのオーディオブランドのVISION EARSの「PHÖNIX(フェニックス)」である。価格は税込みで49万5000円(e☆イヤホンのWeb本店価格、以下価格表記はみな同じ)。

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VISION EARSのイヤホン「PHÖNIX」

同ブランドは以前から高価格帯を中心に展開しており、たとえば、筐体が純銀でできた50万〜60万円台のイヤホンを販売していたこともある。そんな同社が満を持して昨年12月に市場に送り込んだのが、このPHÖNIXである。

最大の特徴は、片側のイヤホンに13基のバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバーを搭載している点だろう。音声信号を音に変換するイヤホンのパーツを「ドライバーユニット」といい、BAは医療用の補聴器などに使われる、主に中音〜高音を得意とするドライバーユニットのこと。「複数のBA型を組み合わせることで、さまざまな音の帯域をカバーすることができます」と東谷さんは説明する。

なお、ドライバーユニットには、BA型のほか、ダイナミック型や静電型などがある。ドライバーユニットの搭載数が多ければ優れているというわけではなく、組み合わせ方法によって各ブランドが個性を打ち出しているのである。まさに「俺が作った最高の音を聴け!」と言わんばかりのプレゼンテーションがなされているのだ。

実際の音はどうなのだろうか。東谷さんは「深みがあって、解像度が高いです。通常、ドライバーをたくさん入れるとそれぞれのバランス調整が難しいのですが、13基もあるのにまとまりのある音を実現できているのは見事です」と力を込める。 

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20万〜30万円台の高額なイヤホンが当たり前のように並んでいる

同商品は有線イヤホンの中でも、接続するケーブルを交換できるタイプだ。材質や構造の異なるケーブルに変えれば、さらに異なる音質の違いも楽しむこともできる。「お客さんの中には10万〜20万円のケーブルを使う方もいますよ」と、東谷さんはさらりと言う。