占いは振り回されるのではなく「使う」もの。真木あかりさんが教える占いとの上手な付き合い方
今回のゲストは、占い師の真木あかりさんです。LEEwebの連載『星占い×タロットで開運! 今週の運勢』では、毎週月曜に各星座に向けてあたたかなアドバイスを発信し、週の始まりに元気づけてくれると人気を集めています。女性誌や看護師向けメディア、ファッションブランドなど、さまざまな媒体で活躍中の真木さんですが、占いを意識し始めたのは30歳ごろだったと言います。前半では、真木さんが占い師になるまでの経歴、自身が占いを通じて伝えたいこと、占いとの上手な付き合い方について話を聞きます。(この記事は全2回の1回目です)
会社員時代からのご縁で占い師に弟子入り
現在執筆している連載は20本以上。「朝起きてから寝るまで、ほとんど原稿を書いています。夢だった書く仕事を実現できた今、とても幸せです」と忙しい日々を振り返ります。物心ついた頃から「作家になりたい」と思っていたこともあり、書くことを生きがいにし、精力的に活動しています。
真木さんが占い師になった理由。それは前職で出会った占い師の師匠から「弟子にならないか」と声をかけられたことがきっかけでした。
「占い師として活動をする前は会社員でした。ベンチャー企業で心理テストや占いを制作する部署を立ち上げ、ライターとしてコンテンツを制作していました。師匠は会社員時代にご縁があり、占い記事の執筆をお願いしていた方です。文章を気に入っていただき、お世話になることにしました。師匠は四柱推命の先生でした。生まれ年、月、日、時刻、4つの柱から運命を見る占いで、2年ほどかけて手ほどきを受けながら執筆のお手伝いをしていました。占いは好きでも嫌いでもなく、どちらかというと距離を置いてきたタイプだったと思います。どこか怪しい業界というイメージも大きくて(笑)冷ややかな目線で見ていたかもしれません」
東日本大震災を機に占いに対する意識が変化
占いに対する意識が変わったのは、2011年に起こった東日本大震災でした。
「震災があって、人間関係も絶不調で。『これから私はどうなるんだろう』と不安が大きく、すがるように占いに解を求めました。実際に占い師さんに観てもらったことも。もっと深く学べば、もっと幸せになれるだろうか。そんな気持ちから、改めて占いの勉強に本腰を入れようと思うようになりました」
自身の状況と未曾有の大惨事。何か自分にできることができるのだろうか、と考えるようになります。
「人が何に救われているのかに興味を持つようになりました。私の場合は占いに救われ、占いでモチベーションを維持していました。そんな私が占いを書くことで、何かできることはあるだろうか、と。今、何ができるんだろうという探究心もありました。震災のタイミングは、占星術でいうとちょうど天王星が動いた時にあたっていました。SNSでは地震予知めいたことがまことしやかに語られ、現実にも被害が出ていて。天で起こっていることと地上で起こっていることはどれほど関連しているのだろう。占いですべてがわかる!と考えるのは危険だと思う気持ちもありました」
大学に編入し心理学を学ぶも、占いの道へ
当時は、副業として本一冊をライティングするブックライターの仕事もしていました。いつか会社を辞めてライターを続けていくなら、専門性が必要になる。何か専門にできることはないか、と考えていた時期でもありました。
「マーケティング・リサーチの会社で企業のメルマガ執筆やマーケティングのお手伝いも続けていたのですが、年齢を重ねるとともに時代の感性とずれていくのではと不安に思っていました。出版社にコネがあるわけでもありません。ライターを続けていく不安がある中で、当初は仕事で携わっていた心理学を専門分野にしようと考えました。占いも続けていたのですが」
34歳の時に大学に編入、心理学を学び直します。大学院には進まず、会社もなんとなく「もういいかな」と思って退職し、独立。心理学ではなく占いの道に進もうと、占い師「真木あかり」名義での活動をスタートします。2013年、震災から2年後でした。
「誰も傷つけない」という意志を持って占いを発信
真木さんが、占いを発信する立場として大切にしていること。それは「誰も傷つけないという意志を持って臨むこと」だと話します。
「誰も傷つけないのは無理なことです。どれだけ気をつけて言葉を発しても、ゼロにはできない。それでも、傷つけないという意志を持つことが大事なのだと考えています。実際に占い師さんに見てもらったことがあるんです。すごく当たると有名な占い師さんからは、聞いてもいないのに『不倫ぼくろがある』『男を変えれば変えるほどダメになるよ』と言われて。複雑な気持ちでした。救われたくて行ったのに、救われない気持ちがますます強くなって。占い師の言葉って、一歩間違えれば呪いのようになることもあります。ずっと心のなかに残って、何かあるたびに呼びかけてくる。だから、傷つけたくないんですね」
さらには「ご相談者さまの今とこれからを肯定してあげたいんです」と話す真木さん。
「例えば、他者から見て不幸だと思うことも、当人にとってもは幸せかもしれない。占い師は観えたものを伝えるだけ。幸せを決める立場じゃないんですね。一人ひとりに自分の幸せがあって、それぞれが成長過程にある。今はこんな状態だけど変わってもいいし、変わらなくてもいい。自分がいいと思えば、一生それを突き通したっていいんです。ただ、人って頑張りたくない時もある。どんな状態でも寄り添ってあげられるような占い師になりたいです。優しくなれなくなったときは、占い師を辞めるときだと思っています」
占いは振り回されるのではなく、「使う」もの
真木さんが考える占いとの上手な付き合い方は「振り回されるのではなく、『使う』もの」。自分の行動を後押ししてくれるようなツールとして使うことがおすすめだといいます。
「『今日はラッキー!』『今週は上り調子』といった占いがあるとしましょう。でも、何もしなければちょっといい日、くらいのものであることがほとんどです。占いを見て、自分がどう行動するかが大切なんですね。行動することで、初めて運気がアップするんです。占いは考えるツール、行動を起こすスイッチになると思っていただくのが良いと思っています。どんな日でも『ならば、どう生きようか』と考え、行動するフックになるような占いがいいなと思っています」
年末にかけて気になるのが、来年の運勢。真木さんが2023年の運勢について、コンパクトに解説してくれました。