当事者同士が直接対決するとケンカになりやすい

では、隣人トラブルが起きてしまった場合、どのように対処すればいいのか。松尾代表は以下のようにアドバイスする。

まずは証拠を押さえて、賃貸ならば管理会社に動いてもらうことだ。

「管理会社を動かすために、とにかく証拠を集めてくださいと言っています。何時何分に音が鳴っていて、それがどんな音なのか。できればレコーディングもして、音に関する情報をしっかりとそろえてもらいます。それを管理会社に持っていき、相談者が特定されないように、かつ相手をあまり刺激しないように、注意勧告のビラや貼り紙をお願いします」

ただし、戸建て住宅の場合だと管理会社はいない。トナリスクが代行することもあるが、もし相談者自身で行うのであれば、直接対話はしないで、匿名の丁寧な手紙を書いてポスティングするのが効果的だという。
ちょっと気になる程度の騒音であれば、この対策だけでほとんど解決するそうだ。それでも不可能であれば、引っ越しを提案することもある。

それ以上の隣人トラブルに発展してしまったら、当事者同士で解決することはほとんどないと松尾氏は断言する。

「ご自身で隣人に口頭で指摘すると、ケンカになりやすく、さらに悪化します。いきなり突撃訪問したり、警察に通報したりする人もいますが、リスクが大きいです」

隣人や近隣住民との関係性は日常生活に直結する。ストレスなく快適に暮らすためには、大ごとにならないうちに、うまく人手も借りながらトラブルを鎮火することに努めたいものだ。

取材・文/伏見学