『GTA6』は金字塔となった『GTA5』を
超えられるのかに注目
映像リーク事件で話題となったシリーズ最新作『GTA6』だが、本作にファンはどんな想いを寄せているのだろう。
「『GTA5』は今でも熱心に遊ぶファンがいて、いまだに隠し要素がゲーム内で発見されるなど、おそろしいほどのやり込み要素を含んだゲームなので、その最新作の製作にこれだけ時間をかけていることに、多くのファンがワクワクしているはずです。
一方で、ロックスター・ゲームスの制作コアメンバーが変更になるというニュースがあったことや、『GTA5』で世間の評価が頂点に達している感が強いこともあり、新作がこれを超えられるのかとソワソワしている部分もありますね」
そんな『GTA6』に飯田氏が期待している部分とは?
「これはリークされた情報からの推測になりますが、『GTA6』はシリーズ初の女性主人公を予定しているようで、ここには期待ですね。近年世界では人種や信条、性別などの違いによる偏見などを含まない、中立的な表現や用語を用いることを指す『ポリティカル・コレクトネス』に基づいた制作傾向が強まっています。
ですが、一方で過剰なポリコレがエンタメをつまらなくさせていると主張して、そうした作品を叩く人も根強く存在しています。実は『GTA』シリーズはこうした層からの支持がアツいゲームシリーズでした。だからこそ、新作で主人公に女性を据えるというのは、ロックスター・ゲームスが彼らに対して、『GTA』はお前らの仲間じゃない、と宣言しているように感じられるのです」
最新作は物語の舞台が過去作で描かれた街であることも、特筆ポイントだという。
「本作は、2006年に発売された『グランド・セフト・オート・バイスシティ』と同じ、バイスシティが舞台と噂されています。マイアミをモデルにした夕日きらめく街が最新グラフィックで見られるのは興奮しますね。
バイスシティを再度舞台にしたのは、ロックスター・ゲームスが“街”という存在をこれまで以上にテーマとして意識しているからではないでしょうか。
実は『GTA5』のエンドロールには、物語の舞台になったロスサントスの街並みが映し出されるのですが、プレイ当時ふと、真の主人公は街そのものだと思ったのです。群像劇の果てに見えてくる、まるで生き物のような街の全体像。
『GTA6』で過去の舞台をもう一度掘り下げるのは、過去作の出来事も含めてより豊かに“街”を描写しようという試みなのかもしれません」
アンダーグラウンドな世界を体感できる傑作ゲーム『GTA』シリーズ。最新作『GTA6』ではいったいどんな体験を与えてくれるのか、今からワクワクが止まらない。
取材・文/TND幽介/A4studio