性教育の“壁”は子ではなく、保護者の性に対する嫌悪感がつくる
――宮原さんご自身も、お子さんへの性教育で悩まれたことがあるそうですね。
「最初に悩んだのは、長女が小学校に上がる前のとき。我が家は女・男・男の3人きょうだいなのですが、子どもたちが大きくなると、自然と互いの体の作りの違いに気付き、興味をもったんです。
そのときに、息子が娘の性器をタッチしようとしたり、その逆もあったりしました。当時の私はその違いについての説明や、子どもの興味に対してどう向き合えばよいかが分からず、とっさに『やめなさい!』と言ってしまったんですよね。
ある意味、子どもが性について興味をもつことに嫌悪感を抱いてしまったんです」
――宮原さんのように、子どもの性や体への興味に嫌悪感を抱く保護者は多いのでしょうか。
「多いと思います。嫌悪感と同時に『どう伝えたらよいかわからない』と思う方がほとんどだと思います。
体について聞いたり、触ったりすることに対して保護者が拒絶してしまうと、子どもは『体のことについて、おうちの人に聞いちゃいけないんだ』『怒られることなんだ』と思ってしまいます。純粋な好奇心が『恥ずかしいこと』に変わってしまうんですよね」
――性の話の“壁”は、子どもではなく保護者が作ってしまっているということでしょうか。
「まさにそうだと思います。保護者世代は、幼児期であっても子どもに性の話をすることにハードルを感じる方も多いです。
しかし、幼児期こそ、一緒にお風呂に入ったときなどに聞かれる素朴な疑問から性教育をするチャンス。その機会をぜひ活かしてほしいなと思いますね」