広いつながりの中で子供を育むこと
長村「この子が生まれた瞬間から、ずっとたくさんの人たちが可愛がってくれているんですね。親のような人というのは何人いてもいいと思っているので、私は自分が母親である自覚はしっかり持っていますけど、そういうことばかりに縛られたくないとも思っています。子供にとって親がどういうものであってほしいのかは子供が決めることだから。子供に安全な場所を用意すること、それが親の役割かと思っています」
「こどまっぷ」の活動を通じて多様な家族のカタチを見てきているふたり。そこで築いている関係は揺るぎないものであるのを端々から感じた。
長村「いつか擦り減る感情を子供が持ってしまうかもしれないけど、あまりネガティブに考えていないのは、私たちと同じようなほかの家族やまわりの人とのつながりがちゃんとあるからです。子供には自分の存在を肯定してくれる人々の中で育って、望まれて生まれてきたことに自信を持っていってくれたらという気持ちがあります 」
子供の笑顔をつくるのも守るのもまわりの人と環境しだいだ。それは家族という単位とは限らないのだろう。
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取材・文/中塩智恵子 撮影/高木陽春