魚たちが泳ぐなかでの瞑想はとてもダイナミックな体験でした

──ヨガと自転車の二刀流であるからこその経験や知識を活かして、現在はヨガ×自転車=「サイクルヨガ」という活動もされています。

自転車とヨガは似ているという話をしましたけど、もちろん違いもあります。それは、神経を使うかどうか。自転車は、運転中に事故がないように気をつけたりして、すごく神経を使うんですよね。

でも、いったん運転をストップして、ヨガの動きを取り入れてゆっくり呼吸をしてみたり、体をほぐしたりすることで、そのあとのライドでまた快適に自転車に乗ることができるんです。

自転車に乗って、ずっと意識や思考が外側に向いている状態から、いったん自分の内側に意識や思考を向けるというか。そうやって、自転車に乗りながらも神経をメンテナンスして、マインドも落ち着くようにしていけると思ったんです。

自転車に乗っている方向けのヨガということで、「サイクルヨガ」という概念を作りました。「サイクル」には自転車という意味もありますけど、リサイクルとか循環、周期、自転車でいろんな街を巡ることでさまざまな人と巡り会う、ヨガをすることで体が巡るなど、たくさんの意味を込めています。

「最近は見られるのもアリかも?」自転車とヨガを融合させたサイクルヨガの創設者“後輩ちゃん”を直撃!_3

──「サイクルヨガ」のイベントの流れとしては、まずは自転車に乗るところから始まるんですか?

イベントの内容にもよるんですけど、例えばお寺で開催するときは最初に自転車でお寺まで来てもらうんです。そのお寺は山のなかにあってアップダウンが激しい道のりなんですけど、自転車に乗る人だと「よし! やったるか!」って気合が入るルートなんです(笑)。

そこまで自転車で来ていただいて、ヨガをして、お寺でごはんを食べて、またライドに行くという流れですね。私は場所をすごく大事にしていて、その場所のよさを知ってもらいたいという目的もあります。

だから、どこでヨガをするかにもこだわっています。自然のなかにある場所だけじゃなく、街中でもいいし、建物でもいいし、近くにあるごはん屋さんでもいい。何かしらの“その場所のよさ”を知ってもらうきっかけになればいいなって。

最近では、八景島パラダイスの水中トンネルでのヨガがすごく印象に残っています。すぐ近くを魚たちが泳ぐなかでの瞑想はとても厳かでダイナミックでもありました!

──後輩ちゃんは、めちゃくちゃアクティブなイメージですけど、頑張りすぎないことも大事にしているんですよね?

人から見たらアクティブだと思うんですけど、実際はぐーたらなタイプなんです(笑)。家にいるときは、20歩くらいしか歩かないし(笑)。ずっとテレビを観て、アニメを観て、YouTubeを観て、好きなものを食べて動かない(笑)。

ひとりのおうち時間も大好きですし、みんなとどっかに行くのも大好きなので、インドアでもアウトドアでもどこでも楽しめるタイプなんです。ヨガと自転車のふたつがあることで、マインド的にどんな環境でも楽しめる自分になりました。

──今後は、どんな活動をしていきたいと考えていますか?

目標は特にないんですけど、何か形に残していけたらと思っています。その何かはまだわからないですけど、これからもうちょっと今の自分を続けてみたら、こうなりたいという理想が生まれてくるんだろうなと思います。

それにしても、これまでSNSもやってこなかった自分が、今こうした活動をしているのが、本当に不思議です。数年前はこんな生活をしているなんて考えてもいなかったですから。

そもそも表に出るタイプではなかったので、今も自分のSNSを見ると「恥ずかしげもなく、顔を出してポーズとか取っちゃってるよ〜」って思うんですけど、最近は見られる快感もアリかなって思えてきました(笑)。

それでも、そんな私のSNSを見てくれる方たちがいるから、今のような環境が作れているんだと思います!

取材・文/横井孝宏 写真/立松尚積