今がちょうどよい。企画を立てない独自のスタイル
――たしかに、そわんわんさんの動画はいい意味で企画企画していない印象です。
最近アップした動画のタイトルなんて「お買い物たのしい」ですからね(笑)。出かける前にメイクするときや、1人で家でごはんを食べるときにさくっと撮影することが多いんです。
――動画を回すときは企画を考えて撮影するのではなく、生活している中で何かあったら動画にしようという流れが多いということでしょうか?
そうですね。YouTubeに上げる動画を撮影すると言うよりも、一人暮らしをする中での出来事を誰かに共有したいという感覚に近いです。だから、部屋にゴキブリが出た時に奮闘する動画とかをあげたこともあります(笑)。
――日常を共有している感覚でありながら、2022年8月現在登録者数63万人を超えているのがそわんわんさんのすごいところです。こんなに多くの方に見られることを想像していたんでしょうか?
いや、まったく想像していなかったですね。そもそもYouTubeを始めたきっかけが、自分のなりすましがいて「誰かになりすまされるんなら、自分でやろう」と思って始めただけなので。最初の頃はアプリを開いて一発撮りしたものを、そのまま出していました。
――一発撮り!? 撮影と編集併せて10時間ほどかかるみたいなお話も聞きますが……
YouTubeって音楽を聴くアプリだと思っていたんですよ。だから、どんなものかわからなくて(笑)。高校の同級生が「サムネっていうのがあるんだよ」とか初歩的なことを教えてくれて、少しずつ編集っぽいことをするようになりました。
といっても、編集ソフトは今もずっとiPhoneやMacに最初からインストールされているiMovieを使ってますけどね(笑)。
――登録者数が増えていく中で、いわゆる“YouTuberらしいYouTuber”になろうと思ったことはなかったんですか?
うーん…むしろ逆ですかね。ありがたいことに半年ぐらいで登録者数1000人ぐらい行って、その時に「遊びにも行かんのに、おしゃれするの、めっちゃだるいな」と思っちゃったんです。動画のためにおしゃれするのってちゃうなって。そのタイミングで、起きて5分ぐらいで撮った準備の動画がめちゃめちゃバズって「これでいいんや」って思えたんです。
――そわんわんさんがYouTubeを始めた2017年ごろに比べると、YouTubeを始める人が増えて登録者数を伸ばす方も多くいらっしゃいます。その中で、今までのスタイルを変えようと思ったことはなかったのでしょうか?
なかったですね。もちろんYouTubeを頑張らなあかんとは思ってるんですけど、正直、今ってYouTubeが楽しいわけでも、辛いわけでもないんですよ。本当に日常を発信しているというか、自分が思った時にSNSを更新している感覚。今のままが自分のメンタル的にも一番やりやすいかなって思います。
――なるほど。メンタルも良好な状態で発信活動ができるのは、大きいですね。なぜ、それを一貫できているのでしょう?
最初にハードルを下げたのは大きかったかなと思いますね。普段テロップを入れていないことも多いので、たまにテロップを入れた動画をアップするだけでも褒めてもらえたりするのはありがたいです。何かを成し遂げようというよりも、楽しいことがいっぱいあったらいいなというテンションで生きているのも大きいと思います。