多すぎる気象情報の種類

暴風雨警報や大雨注意報などの気象情報は種類が多い。数えると「特別警報」が6種、「警報」が7種、「注意報」が16種もある。さらに「氾濫発生情報」や「警報級」という表現もあり、いざという時に自分はどうすべきかの判断を下すのが難しい。

そこで参考にしてほしいのが、土砂、洪水、浸水の3つの情報を整理して、いつ避難すべきかを教えてくれるサイト「キキクル」だ。気象庁のHP  https://www.jma.go.jp/jma/index.htmlから「キキクル(危険度分布)」を選び、市町村別のマップから知りたい場所を選択すればすぐに情報が出てくる。

的中率は4回に1回? 「線状降水帯予測」は災害被害軽減に貢献できるか_1

地図を拡大していくと、上図のような画面が出てくるので、その地域が避難すべきエリアかどうかが、地図の色を見るだけでわかる。今年6月から警戒レベル5を含む運用が始まったのだが、ここで個々のレベルの説明をしよう。

レベル5は黒で、「災害切迫」を表す。すでに災害が発生しているか、切迫している地域という意味だ。テレビなどでは「緊急安全確保」と伝えられ、「避難するタイミングを失し、避難すること自体が生命の危険を伴う」状況だ。

もしも逃げ遅れた場合は、洪水が心配される場所ならできるだけ高くへ移動すべきだ。二階建ての住宅なら二階へ。マンションやアパートなら、上層階へ。土砂災害の危険地域なら、崖から離れた部屋へ移動する。より安全な所へ移動して災害の終わるのを待つ、というのが緊急安全確保である。

的中率は4回に1回? 「線状降水帯予測」は災害被害軽減に貢献できるか_2
警報レベルごとの災害発生の危険度。政府広報オンラインより
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レベル4は紫色で、「危険」を表す。地元の自治体から危険な場所に対して「避難指示」が出される。かつては「避難勧告」という言葉も使われたが、今は避難指示に一本化された。

住民がとるべき行動は災害の種類によって異なる。土砂災害が想定される地域は地域外に出ることを求められているが、洪水や浸水被害では、安全な地域への避難か、屋内の浸水が及ばない階への移動となっている。

レベル3は赤色で、「警戒」である。災害の状況がこれから悪化すると考えられるタイミングで出される。高齢者など災害弱者は避難を始める。たいていの場合、風雨がそれほど強くない頃に出されるので、災害弱者にとっては避難しやすい。