57年ぶりの〝夏連覇〟と36年ぶりの〝春連覇〟

春夏連覇以上に難しい、といわれるのが、世代が入れ替わっても勝ち続けて2年連続で優勝する「夏連覇」と「春連覇」だ。

夏連覇の経験があるのは、甲子園の歴史でわずか6校だけ。この50年では2004年夏、2005年夏に優勝した駒大苫小牧(南北海道)だけ。2004年の大会では、大会歴代1位のチーム打率4割4分8厘という圧倒的な攻撃力で、北海道勢初優勝を達成した。

その翌年、今度は2年生エース、田中将大(現・楽天)を中心としたバランスの取れたチームで夏の甲子園に登場。決勝戦では田中が5回途中からリリーフ登板。1球投げるごとに調子をあげ、5対3とリードした最終回には3者連続三振。優勝を決めた最後の球は150キロのストレート。田中にとって人生初の「150キロ」であり、甲子園の歴史で2年生が150キロを投げたのも史上初、という投球で、57年ぶりとなる「夏連覇」を達成した。

2018年春、36年ぶり&史上3校目となる「春連覇」を達成したのが「西の横綱」大阪桐蔭だ。優勝投手になった根尾昂(現・中日)は、この前年センバツでも優勝投手を経験。2年連続での優勝投手は史上初の快挙だった。

この代の大阪桐蔭は根尾以外にも、藤原恭大(現・ロッテ)、柿木蓮(現・日本ハム)、横川凱(現・巨人)らが下級生のときから主力として活躍。彼らが最終学年を迎えた2018年はセンバツに続いて夏の甲子園でも優勝。史上初となる「2度目の春夏連覇」を達成したのだ。

そして迎えた今大会。今春のセンバツを制した大阪桐蔭は「3度目の春夏連覇」の大偉業に挑む。また、昨夏の覇者・智弁和歌山(和歌山)は史上7校目となる「夏連覇」への期待がかかる。3年ぶりに有観客の舞台で行われる夏の甲子園でどんなドラマが生まれるのだろうか。

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