ASPユメカ・ナウカナ? が語る、WACKの日本一過酷なオーディション_2

殻を破らないと、WACKのアイドルにはなれない

——合宿の様子はニコ生で24時間生中継されていたので、私も視聴していたのですが、すごく印象的だったのがユメカさんが「包茎」という言葉をネットで調べはじめたシーンです。将来、自分が男の子の母親になったときのために、と言って……(笑)。

ははは! 本当に全部が放送されていたんですね(笑)。私、自分が目立とうとしているわけじゃないんですけど、いつの間にかやり過ぎちゃうというか、突っ走ってしまうところがあって。それはもう、この合宿に限ってのことじゃないんですけどね。グループで活動しているときも、一人で突っ走り過ぎたらダメなんだなっていうことに、合宿を通じて改めて気づかされました。

――その一方で、現役メンバーのなかで、ほかの誰よりも候補生を気づかっているように感じました。

うーん、どうでしょう。今回は候補生を教える側でもあったわけですけど、どこまでそれができたのかは自分でもわからなくて。人に何かを教えるのって、すごく難しいんですよね。やっぱり言葉だけじゃ伝わらないんですよ。「殻を破らないと合格できないよ」とか、アドバイスはできます。でも、口でいくら言っても伝わりきらないというか。そこはめちゃくちゃもどかしくて、悔しかったですね。

――WACKオーディションでは毎日必ず脱落者が出ます。合宿を去っていく子たちを見ながら、どういう気持ちでしたか?

目の前で脱落していく子たちを見るのは、今思い出しても泣きそうなくらい辛かったです。WACKオーディションでは、前日に脱落した子が敗者復活できる救済処置っていう仕組みがあって。たとえば「腹筋が一番できた子が復活できる」みたいな感じなのですが、その対決の時間が、すごく辛いんですよ。どの子にも残ってほしいけど、私にはもう応援することしかできない。気づいたら涙が流れて、「がんばれ」ってつぶやいてました。

――涙を流すほど感情移入したのには、何か理由があるのでしょうか?

脱落した子も、自分と同じぐらいWACKが好きで、自分と同じぐらい「アイドルになりたい」って思っていたわけじゃないですか。そういう子たちが合格できないっていう現実に、ちょっと耐えられなかったんだと思います。「自分の力不足でこうなってしまったんだ」というのも、すごく感じていました。

ASPユメカ・ナウカナ? が語る、WACKの日本一過酷なオーディション_3

――オーディションで、ユメカさん自身が辛かったことってありましたか?

チームごとに順位がつくのは、やっぱりしんどいですよね。がんばった分だけ、結果が出るってわけでもない。これをやれば勝てるっていうんだったら、簡単なんです。走ればいいんだったら私はいくらでも走るし、「はい、虫食え」って言われたら食べちゃうだろうし。だけどオーディションって、そういうものじゃないんですよね。

候補生のなかには「歌も踊りも初めてです」っていう子もいるんです。そういう子はパフォーマンスだけで精一杯なのに、少しでも合格に近づこうと必死で努力している。それなのに「順位」というかたちでランク付けされちゃうことが、もう本当に嫌で。もちろん、それが仕方のないことだって、頭では分かっているんです。それでもやっぱり、私はどうしても「順位つけられる」ってこと自体が苦手なんだと思います。

――でも順位と言えば、毎日の早朝マラソンではユメカさんはいつもぶっちぎりの一位でしたよね。

毎日考えなきゃいけないことが一杯あったので、それを考えながら走っていたら1位になっていた感じです。いや、ホントにまぐれなんです。

――早朝マラソンでただ走るだけでなく、折り返し地点に用意された特大おはぎを食べたりもしていましたよね。あれを完食するのは大変じゃなかったですか?

ここで死ぬんだなと思いましたよ(笑)。水も飲めないのにおはぎを食べて、苦しくて「ここが墓場だ」って思いました(笑)。