イワクラの“カマし癖”は自分への鼓舞

――いろんなメディアで蛙亭さんを観ていて、イワクラさんは「カマしたい」人なのかな?とよく思うんです。

イワクラ カマし癖はありますね(笑)。もともとそういう性格だったというより、強めに言うことで自分を奮い立たせている感じです。時間がゆっくりした田舎で過ごしてたんで、感覚が違うところがあって。芸能界とか、賞レースもやっぱりほわーんとしている人は残らないし、闘争心を持っておかないと置いていかれちゃう。それでカマし癖がついちゃいました。

中野 単独ライブの告知コメントを求められて、絶対毎回「めちゃくちゃおもしろいことするんで観に来てください」みたいにめちゃめちゃカマすんですよ。言った後に「カマしちゃった……」って後悔したりしてる。

――仕事が増えてきたことでカマし癖に変化はないんですか?

イワクラ 前よりはちょっとマシになってるかもしれないです。今までは常にいろんなことにイライラしてたんですけど、ちょっとずつ仕事が増えてきて生活もできるようになってきたら、ムカつくことが減ってきました。それもヤバいというか、ボーッとしてたらダメだなと思います。

――対照的に中野さんはのんびりしていて、そういうイワクラさんを受け止める相方という関係性に見えます。そういうコンビ仲は変わらない?

中野 もしかしたらそれがどんどん極端になっていってるかもしれないですね。

イワクラ 周りの人は中野さんのことを「すべてを包み込んでくれる優しい相方」「穏やかでほわーんとした人柄」みたいに思ってるんです。でも、私はいちばん身近にいるからわかるんですけど、本当に何も考えてないだけなんでむっちゃくちゃ腹立ちますよ、ほんとに。ただ、最近ふと思ったことがあったんです。このあいだ、Dr.ハインリッヒさんと“波動”の話をしていて。

――Dr.ハインリッヒさんの漫才やトークによく出てくる概念ですね。

イワクラ そこで「楽しいことをしている人は波動が高くて、悪口や文句ばっかり言ってる人は波動が低い」って話になったんです。それまで中野さんって波動低い人間だと思ってたんですけど、自分の好きなことをしてノーストレスで生きてるのってめっちゃ波動高いんじゃないかってそのときに思って。「だから今いろいろ良い結果が出てるんだ」って気づいたとき、“嫌い”のレベルがちょっと減りました。

――中野さん、波動高かったんですね。

中野 波動が高いかはわかんないですけど、自分は主人公だと思ってますね。

イワクラ そうなんです。自分が主人公で生きてるから、暑いとか寒いとかそれぐらいのストレスしか感じてなくて、それがいちばんうらやましいんですよね。そういう部分をコントにしたときにめちゃくちゃ面白くなるなって思います。

――中野さんはご結婚されましたし、これから意識が変わっていくところもあるのでは?

イワクラ いや、そこも多分「絶対に食わしていくぞ」みたいなガッツはないですね。「えりちゃん(中野さんの配偶者)と一緒にいれたらいいや」ってだけで。

中野 なんで知ってるん?(笑)

イワクラ 奥さんには昔からすごいお世話になってるんで、自分がえりちゃん食わしていくぞって感覚でやってます(笑)。

中野 そうなると結局得するのは僕ですよねぇ。最高ですよね。

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撮影/松木宏祐 取材・文/斎藤岬

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中野周平
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イワクラ
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