値上げの背景に賃上げや物流費の負担も…人件費が要因となる割合は過去最高

商品を製造する工場の電気代、配送するトラックの燃料代、商品を運ぶ従業員の人件費。さまざまな費用が積み重なり、最終的な販売価格を押し上げる構造だ。

もちろん、人件費の上昇には労働者の賃上げという側面もある。働く人の収入を増やすことは重要だが、企業にとってはコスト増となり、価格への転嫁が進めば消費者の負担にもつながる。

こうしたコスト上昇による経営の難しさは、個人経営の飲食店も例外ではない。前出の経営者は現時点ではメニューの価格改定は予定していないというが、苦しい胸の内を明かす。

「値上げしたらお客さんが減るかもしれない。他店との競争もある。でも、値上げしなければ店が続けられなくなる。どちらも怖いですよ。もんじゃもお好み焼きも、気軽に食べてもらいたい料理ですから。安くておいしいものを出したいという気持ちは変わらないんですけどね」

東京・月島のもんじゃストリート
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そもそも値上げ品目数が減ることと、商品の価格が下がることは別の話だ。

例えば、100円の商品が120円に値上がりし、その後1年間価格が据え置かれたとしても、消費者は以前より20円高い価格で買い続けることになる。

値上げの勢いが鈍化しても、これまで積み重なった値上げが解消されるわけではない。

実際、総務省が発表した2026年9月の全国消費者物価指数では、総合指数は前年同月比2.1%上昇している。

帝国データバンクは2027年について、2026年ほど大規模な一斉値上げは起きにくく、値上げペースが緩やかになる可能性があると分析する。

ただし、今後は商品の価格を引き上げるだけでなく、内容量を減らして価格を据え置く「実質値上げ」が混在する展開も予想されるという。

値上げがニュースになる機会は減っても、日々の買い物で負担が続く可能性はある。

家庭では1円でも安い商品を探し、飲食店では味を守りながら価格をどう設定するか悩む。値上げを余儀なくされる店も、それを受け入れる消費者も、厳しい状況に置かれている。

庶民の味として長く親しまれてきたもんじゃ焼きやお好み焼き。身近な食べ物を、これからも気軽に楽しめる時代であり続けてほしいものだ。

取材・文/集英社オンライン編集部