「ソースもマヨネーズも欠かせない」もんじゃ・お好み焼き店にも値上げの波
各家庭だけでなく飲食店でも、こうした仕入れ価格の変動が日々の経営に影響する。東京・中央区でもんじゃ・お好み焼き店を営む40代の男性はこう話す。
「もんじゃもお好み焼きも、粉とキャベツがあればできると思われがちですけど、実際にはいろいろな材料を使うんです。特にお好み焼きは卵や豚肉も使いますし、ソースやマヨネーズも欠かせません。
もんじゃだって明太子やチーズを入れれば、それだけ原価が上がります。一つだけならまだしも、あれもこれも値上がりすると、さすがに厳しいですよね」
特に難しいのが、価格と味のバランスだ。例えば、仕入れ価格の安い材料に変更すれば、原価を抑えられる可能性はある。しかし、店ごとに工夫してきた味への影響は避けたいところだろう。
お好み焼きなら生地の配合やソースの味、もんじゃ焼きならだしの取り方や具材の組み合わせ。こうした違いが店の個性につながるだけに、原材料の価格高騰は単純な経費の問題にとどまらない。
「ソースやマヨネーズひとつ変えるにしても、味が違ってきますからね。材料を減らせばいいという話でもない。値段を上げるのが一番簡単かもしれませんが、お客さんだって物価高で大変でしょう。昔から来てくれる常連さんもいるので、簡単には決められないんです」(40代 もんじゃ・お好み焼き店経営者)
さらに、飲食店には食材以外の負担もある。人件費や電気・ガス代、食材の配送費などだ。
鉄板を使うもんじゃ・お好み焼き店では、調理に必要な電気やガスの費用も無視できない。
仮に食材の価格が落ち着いたとしても、これらの費用が高止まりすれば、店の経営がすぐに楽になるわけではない。
こうした現象は、食品メーカーの値上げにも表れている。
帝国データバンクによると、2026年に値上げが判明した飲食料品は、11月実施分を含めて2万327品目。年間2万品目を超えるのは2年連続だ。
値上げ要因として最も多かったのは「原材料高」で91.7%。ただし、この割合は同社が要因の集計を始めた2023年以降で最も低い。
一方、「エネルギー」を要因とする値上げは63.9%で2年連続の上昇。「人件費」は51.5%と過去最高の割合になった。
つまり、食品の値上げは原材料の高騰だけでは説明できなくなっている。












