工事費用の相場観、相見積の窓口…適切な工事のポイントとは?
では談合はなくなるのか。昨春の立ち入り検査や「なりすまし」による受注誘導問題以降、管理会社は相見積の設計監理方式をやめ、自ら元請けとなる責任施工方式を勧める動きが活発だという。
マンションコンサルタントの別所毅謙氏は「公取委が問題にするのはリベートや談合という行為で、費用が高すぎること自体ではない。管理会社が元請けとなりお抱え業者に流せば、大きな中間マージンを取れる。『談合でないこと』と『価格が適正である』ことは全くの別問題です」と警告する。
ある施工会社の社員は「加担していた管理会社だけが焼け太りしている」と憤る。
それでは、住民で組織される管理組合が、工事を適切に発注するにはどうすればいいか。業界関係者によると、現在の適切な相場は1戸あたり税込100〜130万円程度、タワーマンションでも130万円程度に収まるという。まずは相場観をつかむことが重要だ。
「相見積で重要なのは業者数ではなく、どの窓口で見積を集めたかです。設計コンサルや管理会社の窓口だけで集めると、そこで談合をされた場合は、管理組合は関知できません。疑念があれば別のコンサルを使うか、(管理会社ではなく)複数の修繕委員のメールアドレスを窓口にするのが安全です。そして、現地調査にどの会社が来たかなど工事会社の情報は、価格が出るまで管理会社には知らせないことです」(別所氏)
さらに注意が必要なのは、不適切取引の当事者が住民側の役員に入り込んでいるというケースである。施工会社の関係者が住民になりすましたり、実際に部屋を買い正式な住民となって役員になり、受注を自社に誘導するという悪質なケースが起きている。
特定業者に固執したり、価格と内容、合理性以外の理由で再見積に難色を示したりする役員には警戒したい。負担増につながる提案の根拠を具体的に説明できない発言は、議事録で「理事A」「B」「C」と発言者を区別しておくべきだ。
別所氏は言う。「大規模修繕の年間市場は9000億円程度で、関東が5割強。対象期間3年強の工事で、公取委から課された課徴金16億円は痛くも痒くもない。ほとぼりが冷めればまた同じ状態になるでしょう」
マンション工事の闇は深い──。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













