「鋼のメンタル」を生んだ「自由」と「挑戦」

写真/Hisako Saito
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菜の花保育園は、「自由」と「挑戦」にあふれた世界だった。僕には「障がいあるから」という理由での規制は一切なかったし、先生の中に「連志くんにはできないだろう」と止めさせる、なんて人は一人もいなかった。

やりたいことは何でもさせてくれたし、できなかったり危なかったりした時は「どうすれば連志くんにできるか」を考え、やり方を変えていく方針だった。

そんな環境で、僕は思いっきり遊び、何にでもチャレンジした。幼少時代のビデオでは、小さな僕が元気いっぱいにはしゃぎ回っている。「本当に楽しかったんだろうな」と羨ましく思うほど、のびのび走り回っているのだ。菜の花保育園は、僕に体と心の両方のたくましさを育んでくれた。

例えば、鉄棒の逆上がり。友だちと同じように両手で鉄棒を握ることはできない。そこで僕が編み出した方法は、手首を返して巻きつけるようにして鉄棒をホールドすることだった。鉄棒にぶら下がりさえすれば、身体能力の高さには自信があったから、あとは何とでもなると思っていた。空中にぶら下がった状態のまま、腕と上半身を使って力ずくで回転することに成功し、僕は鉄棒を難なくクリアした。

負けず嫌いの僕が、できるまでとことん挑戦できる環境、それが菜の花保育園だった。ここでの成功体験の積み重ねが、「自分はできる」という信じるマインドになっているし、「無理だ」と考えず、自分に合った方法を探す思考の習慣になっている。それは、戦略や計画を立てるのが好きな、現在の僕の行動パターンに大きく影響を与えていると思う。

文/鳥海連志  

僕の人生には「挫折」がない 失敗を成長に変えるポジティブ思考術
鳥海 連志
僕の人生には「挫折」がない 失敗を成長に変えるポジティブ思考術
2026/9/28
1870円(税込)
194ページ
ISBN: 978-4083331824
■再び世界の頂点で戦うために
車いすバスケットボール界のトップ選手・鳥海連志。東京2020パラリンピックでは日本車いすバスケットボール史上初の銀メダルを獲得しMVPを受賞。一躍スター選手となったが、一転、続くパリ大会は予選敗退により出場を逃した。しかし鳥海は「自分の人生に『挫折』はない」と言い切る。目の前にある「できない」を努力と工夫、そして「できる」と信じる心で「できる」に変え続けて来たからだ。
ロサンゼルス2028パラリンピックでのリベンジを期す鳥海は、2025年秋よりヨーロッパリーグに挑戦。世界の強豪に揉まれての試練や葛藤、スペインという新しい世界での気づきや自ら綴る最新でリアルな「鳥海連志」。トップアスリートの本音とともに、成長を求め続ける超「ポジティブ思考」の秘訣に迫る。
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