会社員時代、仕事と寝るとき以外はずっと飲んでいた
――帰国後は、どのような仕事をしていたのでしょうか。
大学を卒業して就職活動をしながら、音楽が好きだったこともあって、地元、広島のクラブでアルバイトをしていました。
当時の広島は今ほどクラブ文化も浸透していませんでしたし、イベントによってお客さんが増えたり減ったりするわけです。その箱はEDMがメインだったのですが、EDMだけではお客さんを集め続けるのが難しかったり、ほかに新しい店ができると減ったりする。その様子を見て、「人は何を求めて、どういうきっかけで行動するんだろう」と気になり始めました。
そういうことを知れる環境に身を置こうと思って、「どうやらリクルートという会社が良さそうだと」と聞いて。それで、リクルートに入社して、Hot Pepper Beauty(ホットペッパービューティー)の営業を2年ほどしていました。
――リクルートでの会社員時代は、どんなキャラクターだったのでしょうか。
問題児だったと思います(笑)。仕事は真面目にやっていたのですが、お酒がめちゃくちゃ好きで、飲まない日はほとんどなかったですね。定時になった瞬間に飲みに行くような毎日でした。
広島はそこまで大きい街ではないので、同じ店を日々回っていると、知り合いが沢山できて。仕事に穴を開けることはありませんでしたが、二日酔いを超えて飲み続けて、さらにお酒が残っているような三日酔いみたいな状態で過ごすこともありました。仕事中と寝ているとき以外は、ほぼ飲んでいましたね。
――挑戦されたグラビアの撮影でも、撮影中にお酒を飲んだそうですね。
1つ目のポーズが終わった後に、「すみません、お酒をください」と言って、ビールとレモンサワーをいただきました(笑)。 スタッフさんからそんな人見たことないよ! と言われました(笑)。
――お酒での失敗はないんですか?
それが無いんですよ。酔っているときは、めちゃくちゃハッピーで明るくなるタイプですし。それに、帰巣本能がしっかりしている酔っ払いなので、ヤバくなりそうなタイミングでは、ちゃんと帰れるんですよ。そこは自分のなかで、褒められるべきところかもしれません(笑)。
――その後avexにはどのような経緯で入社されるのでしょうか?
20代前半のころから、avexが関わるEDMの音楽フェス「ULTRA JAPAN」に、いつか携わりたいと思っていたんですね。
クラブで働いていたときに知り合ったかたが、avexの関係者とつながっていたみたいで。avex側で「洋楽に詳しいライブ制作スタッフを探している」という話になったとき、「音楽が好きで、英語も話せて、ありえないくらいお酒を飲むおもしろい子がいる」と紹介してもらえて(笑)。
東京へ行って話を聞いたところ、「上京して働かないか」と声をかけていただき、avexでライブやコンサートツアーの制作をする仕事に就きました。
会社に入ったからといって、「ULTRA JAPAN」を担当できるとは限りません。それでも、「やりたいです!」とアピールしていたところ、担当する機会があり、そこから毎年携わらせてもらえることになりました。
――ライブ制作の仕事で、いまも印象に残っている出来事はありますか。
コンサートの仕事は、本番当日がすべてではありません。ツアーが決まったら、2年くらい前から会場を押さえますし、半年前にはリハーサルをやります。だから、ツアー初日を迎える日は、ひとつの大きなゴールにたどり着いたような状態なんですね。
ツアー初日は、もう心身ともに限界に近いんですが、担当しているアーティストが歓声のなかでステージに上がる瞬間は、「やっとここまで来た」と、一番泣けますね。
――長い準備を重ねてきたからこそ、込み上げるものがあるんですね。
あるツアーでは準備が本当に大変で、1週間ほどほとんど眠れない日が続き、さまざまな人から叱られて、精神的にもかなり参っていたんです。
そんななか、7年間担当させて頂いていた、日本人なら誰もが知っているアーティストのかたを、本番前に楽屋からステージへお連れすることがありました。 私がエレベーターの前で待っていると、そのかたが乗り込まれたタイミングで、「大崎が頑張っていることは、みんなわかっている。頑張ってくれてありがとう。俺は大崎を応援しているよ」と声をかけてくださったんです。
そのかたも、もうすぐ本番で、当然すごく疲れていたはずです。それでも、裏方の私のことを見ていてくれた。自分の大事なステージへ向かう直前にスタッフを気遣い、そのままステージに上がっていく姿が本当に格好よくて、泣きそうになりました。
――すごいアーティストは、表でも裏でも超一流なんですね。
何かを頑張れないと思うとき、いまでもその言葉を思い出します。頑張っていても、誰にも評価されていないように感じることはある。でも、どこかで誰かが見てくれていて、応援してくれている人がいるんだと思えるようになりました。












