「私はアンタの飯炊きババアじゃないんだよ!」
先述の新川さんが開設した「母子家庭共和国」が行なったシングルマザーとシングルファザーの交流会。そこで出会ったのが、のちに4人目の夫となる、バツ2の男性だった。
「当時、2人の子どもを一人で育てている彼の苦労話を聞いて、『まだ子どもが小さいのに大変そうだな』って思ったんです。とても優しい方だったので、『幸せにしてあげたい』って気持ちもあったし、『子連れ同士、一緒に助け合っていけたらいいな』と思って。それで結婚を決めました」
こうして新川さんは、43歳で事実婚を含む4度目の結婚を果たした。
今度こそ、同じ境遇の者同士、子どもたちと一緒に支え合いながら家族を築いていく――。しかし、そんな新川さんを待ち受けていたのは、「ステップファミリー(子どものいる人の再婚・再パートナー化で形成される家族)」にまつわる、継母としての複雑な感情だった。
「やっぱり、自分の子と同じようには相手の子どもを愛せないんです。そのことに対して周囲の理解もないことに、すごく苦しく感じました。要は、自分の好きな男性が、ほかの女性との性行為の末にできた子どもですよね。理性で我慢しても、連れ子や世間からは母性愛を求められる。でもそれは、すごくストレスのかかることなんです」
実際の生活では、もっと些細な日常の積み重ねが、新川さんを追い詰めていった。
「夫の連れ子から『ママ、今日のご飯なに?』って聞かれるのが、めっちゃ嫌でした。実の子だったら『え~、何食べたい?』って答えてあげられるのに、連れ子だと『私はアンタの飯炊きババアじゃないんだよ!』って、聞かれるたびにムカついて……。
子どもにとって、ご飯が楽しみなのはわかるんですよ。でも私からしたら、『お前の飯だけ炊くために、結婚したわけじゃない』って」
日々の小さな違和感が積み重なるにつれ、新川さんの中には、少しずつ別の思いが芽生えていった。
「この人は、これからもずっと一緒にいる相手ではないのかもしれない」
約8年間続いた4度目の結婚生活は、こうして幕を閉じた。
しかし、新川さんの人生は、ここからさらに動き出す。次に待っていたのは、これまでとは180度違う、衝撃的な出会いだった。
取材・文/木下未希


















