数百万円の借金を抱えて自己破産
その後、一度復職したが、すぐに休職。そのまま退職すると家計はさらに苦しくなった。傷病手当のほかに、障害年金3級を受給できたが、月に5万円ほどしかない。借金は数百万円に膨れ上がった。
一緒に住んでいたパートナーもうつ病で働けず、家賃が払えなくなり、ガスが止まり、ご飯も食べられなくなった――。
「マジで死ぬかもって思った。V福で情報を得て、市役所に行って助けてもらいました。V福がなかったら、何から相談していいかわからなかったと思います。
親にも多額のお金を借りていて、それが自分でも許せなくて……。『彼と別れて戻ってこい』と言われたけど、それでは自分の心が死ぬ。だったら、自分の失敗をきちんと受け入れようと思ったんです」
自己破産する手続きをして、虎井さんは精神障害者向けのグループホームに入所。規則正しい生活をやり直すことから始めたという。
「パートナーも家庭環境に難がある人で、彼のツラさに共感していくうちに、彼の人生を支えてあげたいと思ったんです。
でも、そんな彼にもひどく当たってしまっていたので、このままじゃダメだ。私が真の意味で自立できないと、この人とは住めないなと」
それまで、V福のメンバーにも内面の苦しさを吐露したことがあまりなかったが、ちょっとずつ話すようになった。落ち込んだときに電話やチャットでそっと支えてくれるメンバーもいた。
「顔が見えない相手だからこそ、話せることがあるんですよね。そこでコミュニケーションの仕方を学ばせてもらい、思考の偏りもゆっくりほぐしてもらいました。
例えば、自分が何か提案したときに、誰かに懸念点を指摘されただけで、人格否定と捉えてしまっていたんですよ。私が変われたのはV福のおかげですね」
イラストの仕事も始め、自分らしく働けるように
今年4月から兵庫県西宮市にある就労継続支援B型事業所「ReverV(リバーヴ)ワークス」で契約社員として週4日働いている。
虎井さんを含めスタッフは全員VTuberで、それぞれのアバターで障害や難病を抱える利用者の応対をする。
利用者の方々にパソコンを使った動画編集作業を学んでもらい、フリーランスとして動画編集で生計を立てることができるよう、虎井さんらスタッフがサポートする。単純作業を行なうB型事業所が多い中、珍しい存在だ。
代表の中島大樹さん(41)自身、VTuber、YouTuberとしても活動している。V福にも福祉の専門家として参加しており、ひきこもっている人たちをリアルな支援につなげる必要性を実感して事業所を設立したそうだ。
虎井さんは「ReverVワークス」の設立を知り、中島さんに「働かせてほしい」と直談判した。
「挑戦してみてダメだったら、また考えたらいいよと言ってくれて、『うわ、軽っ』って思った(笑)。でも、その軽さが、心地よくて、こころ救われたというか。
『イラストレーターもやりたいなら開業したらいいじゃん』って軽いノリで言われて、ココナラなどのサービスに出品して実績を積んだら、徐々にイラストレーターのお仕事をいただけるようになりました。
VTuber関連のイベントの運営をやらないかとお声がけいただくことも増えて、『なんで私に?』と聞いたら、『虎井さんはコミュニケーション能力が高いから』と言ってもらえて。『ウソでしょ』って私も思う(笑)。どんどん自分らしく働けるようになっています」

















