なぜ「終わった街」と言われるようになったのか
そんな“遊びに行く街”としてのお台場のイメージを、全国に広めるうえで大きな役割を果たしたのがフジテレビだった。1997年、フジテレビは東京都新宿区河田町からお台場へ本社を移転。特徴的な球体展望室を備えた新社屋そのものが観光スポットとなり、番組と連動したイベントも数多く開催された。
同じ1997年には、刑事ドラマ『踊る大捜査線』が放送開始。その後、映画化もされる大ヒットシリーズとなり、舞台となった架空の警察署「湾岸署」のイメージも、お台場と強く結び付いていった。
ドラマやバラエティを通じて、「最先端の東京」といった印象が全国へ広がり、2000年代にかけて、デートや家族のレジャーで訪れる街として広く知られるようになっていった。
「フジテレビがあったから人が集まったというより、フジテレビが“お台場らしさ”を発信するハブになったことが大きかったと思います。テレビを通じて、お台場のきらびやかなイメージが共有されていったのです」
ショッピングモールを歩き、観覧車に乗り、レインボーブリッジを望む夜景を眺める──。そんな過ごし方がお台場観光の定番となった。
しかし、この20年余りでそんなイメージが大きく変わった。
2021年には大江戸温泉物語が営業を終了。2022年3月にはヴィーナスフォートが閉館し、同年8月にはパレットタウン大観覧車も営業を終えたのだ。
かつて「お台場」と聞いて多くの人が思い浮かべたランドマークが、短期間のうちに相次いで姿を消したのである。さらにヴィーナスフォートの跡地に2024年3月に開業したテーマパーク、イマーシブ・フォート東京も今年2月に営業を終了した。
街のシンボルが次々と姿を消したことで、久しぶりにお台場を訪れた人が「にぎわいも失われた」と感じるのも無理はない。
そして2026年6月、SNSに投稿された「お台場が少しずつ廃墟化してる」という言葉が拡散。閉館した施設や人通りの少ない場所を映した写真とともに、お台場の現在が大きな話題になった。












