復活のカギは「街全体」をどうつくるか
生まれ変わるフェーズにいるお台場は今後、再びにぎわいを取り戻すことはできるのだろうか。
谷頭氏は、「可能性は十分ある」としながらも、その行方は「五分五分」だとみる。
「お台場には、アリーナや展示会場など、多くの人を呼び込める施設があります。ただ、それぞれの施設が“点”として存在しているだけでは、街全体のにぎわいにはつながりません」
重要なのは、イベントを目的に訪れた人が、そのまま街の中を歩きたくなるような仕組みをつくれるかどうかだという。
「例えばライブを見に来ても、それが終わったら駅へ向かって、そのまま帰ってしまうのであれば、街にはなかなか人が残りません。
ライブの前後に食事をしたり、買い物をしたり、ほかの場所にも足を運んだりする。そうやって一つひとつの施設をつなぎ、人が街を回遊するようになって初めて、“点”だったものが“面”になっていくんです」
そのためには、それぞれの施設や事業者が個別に人を集めるだけでは限界がある。
「お台場全体を“こういう街にしていく”というビジョンを描き、街を一体としてマネジメントする存在が欠かせません。それが行政なのか、民間企業なのか、あるいは両者が協力する形なのかはわかりません。ただ、街全体を見渡して、それぞれの施設をつなげていくリーダーシップが必要です」
かつてデートスポットやレジャーの街として、多くの人でにぎわったお台場。その風景は確かに大きく変わった。しかし、ランドマークがなくなったことと、街そのものが“終わった”ことは同じではない。
「廃墟化」という言葉の裏側で進んでいたのは、かつての観光地としての姿が変わり、新しい役割を持つ街へと移り変わっていく過程だった。
お台場がこの先、どんな街へ生まれ変わっていくのか。その答えが見えるのは、もう少し先になりそうだ。
取材・文/森田浩明(A4studio)












