「コメを作れば作るほど赤字になる」
岡田農園のある栃木県ではまだ今年の概算金は出ていないが、他県ではすでに1万6000円から1万8000円の概算金が出ている。過去相場と照らし合わせると、どういう評価になるのか。
「高騰時からすると4〜5割、下手すると6割近く下がるわけですが、過去には1万円という時期もありましたので、金額だけで見れば過去一番の安さではありません。しかし、近年の物価の高騰で肥料や農機具にかかるお金、例えばトラクターに入れるオイルが2万円台から4万円台に値上がりしていて、そういったものを加味すると、過去1番に匹敵する水準と言えますね。
さらに今の状況を見る限り来年は概算金が1万円を切る事態にもなりかねない。ウチは2万円切ると利益はありません。中間業者がいくら取るのかにもよりますが、スーパーの店頭価格で5キロ3000円~3500円くらいの水準であれば農家もやっていけると思います」
今夏には3000円を切る特売のブランド米も出現したが、それでは生産者の利益はおぼつかない。
「コメを作れば作るほど赤字になるのがわかっています。規模を減らせば収入も減るのでバランスが難しく、うちでは25ヘクタールあった田んぼを22ヘクタールまで減らしたり、酒米や加工用米の契約を増やしました。
そうすることで主食米を減らせるし、酒米や加工用米は事前契約で金額も決めるのが原則なので、見通しも立てやすいんです。令和のコメ騒動でコメが暴騰して儲かっただろうと言う向きもありますが、それより前の3年は赤字続きでした。高騰時に農機具を新調したり、規模拡大の設備投資をした人たちは今、地獄を見ていると思いますよ。僕もコメ農家をやっていく上で作った借金がまだ8千万円あります。あまりにも赤字が続けばコメ農家を廃業して土地を売り、返済に充てなければなりません」













