「国民会議」はスタートしたが…
選挙後、野党にも呼び掛ける形で超党派の「国民会議」はスタートしたが、6月以降に議論されているのは「税率1%」に引き下げた上で中低所得者に現金給付する「実質ゼロ化」案だ。
高市首相は、消費税率をゼロにした場合のレジシステム改修について「必ずしも1年(税率変更に時間がかかる)ではないが、一定期間はかかる」との認識を示しており、政府・与党は飲食料品の消費税率を公約通りの「ゼロ」ではなく、「1%」とする案でとりまとめようとしてきた。
もちろん、税率が1%に下がれば生活が楽になる人は少なくない。だが、最近の物価上昇局面において「1%」分にあたる年約6000億円の現金給付を受けられる中低所得者はよいかもしれないが、残る国民は切り捨てるつもりなのか。
減税の財源についても赤字国債に頼らず、補助金や租税特別措置の見直しで捻出するというが、補助金・租税特別措置カットによって打撃を受ける人々もいるはずだ。何より、今回の減税が将来の「増税」につながらない保証は全くない。
政府・与党は2027年4月から2年間限定で食料品の消費税率を1%に下げる案で調整しているが、そもそも飲食料品の値上げは一向にとまっていない。
首相就任後は靖国参拝を断念し、式典への閣僚派遣も見送り
史上最高値を更新する日経平均株価とは対照的に、国民生活は依然として好転していないのである。消費税率のゼロ化が「悲願」とまで言い切った首相は、減税は「給付付き税額控除を実施するまでの2年間」に限定すると言うが、リアルタイムで物価高騰に苦しむ人々に寄り添っているとは言い難い。
首相は自身の強固な支持層とされる保守派に向けて靖国神社参拝や「竹島の日」式典への閣僚出席などをめぐり威勢のいい言動を繰り返してきた。
だが、首相就任後は靖国参拝を断念し、式典への閣僚派遣も「堂々と大臣が出て行ったらいいじゃないですか」と語っていたにもかかわらず見送っている。こうした言行不一致は保守層からすれば期待も大きかった分、失望へと変わりつつあるように映る。
さきの時事通信の調査では、税率を0%とすべきか1%にすべきかを尋ねたところ、40.7%が「0%」を選んだ。「1%」を選んだのは29.4%にとどまっている。自民支持層でも「0%」が33.5%、「1%」が36.9%となっている。












