揺らぐ政権の足元
2月の衆院選で自民党は圧倒的な議席数を確保したものの、参院では与党で過半数に満たない。来年春の統一地方選をにらめば、直近の地方選で自民系候補が苦戦を強いられていることも気がかりだ。
自民党内には、政権基盤を安定させるため国民民主党も連立与党に取り込むべきだとの声も根強い。ただ、首相サイドには同党に対する不信感も残っており、まずは日本維新の会との連立関係を優先していくという。
与野党に異論がある中、衆院運営委員会が6月26日に定数削減法案を政治改革特別委員会、副首都法案を地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会に付託したのは、首相の意向に沿ってのことだろう。
ただ、これには国民民主党からも「自ら静謐な環境を壊してしまう暴挙」との反発が出ている。もう1つの首相の悲願である憲法改正に向けたスケジュールを考えても、同党との距離が生じるのは痛手のはずだ。
とはいえ、高市内閣として初めてとなる成長戦略や「骨太の方針」の策定は例年よりも1カ月ほど遅れ、あえて付言すれば新味も欠いている。
消費税のゼロ化や靖国参拝にとどまらず、看板に掲げる「責任ある積極財政」が意味をなさないことになれば国民の失望は一気に増すことだろう。いよいよ、高市政権の足元が揺らいできそうである。
文/竹橋大吉 写真/shutterstock












