絶叫マシン特化型の富士急ハイランドにも異変が
一方で、キャラクターと癒しという付加価値をつけようとしているのが富士急ハイランドだ。2026年夏に「サンエックス パラダイス」という新たなコンセプトのエリアをオープンする。「リラックマ」や「すみっコぐらし」などのサンエックスキャラクターの世界観を再現したものだ。
富士急ハイランドは絶叫マシンに特化した施設で、子ども向けに「トーマスランド」や「リサとガスパール タウン」といったエリアを提供していた。「サンエックスパラダイス」は子どもはもちろん、キャラクター好きの大人まで幅広い層をターゲットにしている。
富士急行の遊園地事業などを手がけるレジャー・サービス事業の売上は、コロナ前の水準まで達していない。ハウステンボスと同じく、集客にはやや苦戦しているようだ。
全国のテーマパークに共通するキーワードが二極化の進行だ。
ひとつは、東京ディズニーリゾートのように価格を引き上げても高い集客力を維持し、客単価を伸ばせる大規模・高ブランド施設と、価格転嫁だけでは来場動機をつくりにくい地方・中規模施設との二極化である。
もうひとつは、来場者側でも、値上げを受け入れて特別な体験に支出できる層と、交通費や宿泊費を含めた総額負担の重さから来場頻度を下げざるを得ない層との分かれ目が広がっていることだ。
来場者が高単価化に対応できる層へと偏りつつあるなかで、各施設はいかに価格に見合う体験価値を打ち出すのかが問われている。テーマパーク業界は、単に来場者数を競う時代から、誰に、どのような体験を、いくらで提供するのかを再設計する変革期を迎えている。
取材・文/不破聡













