ハウステンボスの売上回復は道半ば

長崎にあるハウステンボスは新たな顧客開拓に力を入れ始めた。2027年に開業以来初のジェットコースターを導入すると発表したのだ。

ハウステンボスは旅行会社大手エイチ・アイ・エスが運営していたが、2022年にアジア系の投資ファンドPAGに売却されていた。

その後、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建したことで知られる森岡毅氏が代表を務めるマーケティング会社、株式会社刀の支援を受けて再活性化を進めていた。

長崎のハウステンボスの風車(写真/shutterstock)
長崎のハウステンボスの風車(写真/shutterstock)

ハウステンボスは2026年4月に「エヴァンゲリオン・ザ・ライド-8K-」をオープン。開業後1ヶ月間の来場者数は前年同期間比で130%となり、絶叫マシンの導入は成果を出していた。2027年のジェットコースターの開業で、絶景・ライド型アトラクションを集客の柱の一つに据える動きと見られる。

一時存続が危ぶまれていたハウステンボスだが、2010年にエイチ・アイ・エスの創業者である澤田秀雄氏が再生請負人として招かれ、見事なV字回復に導いた。

澤田氏は東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンを後追いするのではなく、オンリーワンの施設を目指した。その象徴的なものが日本一のイルミネーション「光の王国」だ。アトラクションに頼るよりも、観光地化することで集客していたのだ。

しかし、近年は売上が伸び悩んでいた。2025年9月期の売上高は257億円で、コロナ前の2019年9月期の283億円には及ばない。定期的に値上げを行なっているにも関わらずだ。

ハウステンボスは県外の来場者が6割程度を占めている。旅行という要素を伴う人が多いわけだ。現在は交通費や宿泊費の高騰が激しく、旅行そのものが贅沢なレジャーになりつつある。遠隔地にあるテーマパークは集客しづらい状況なのだ。

そこでハウステンボスは絶叫マシンのニーズを拾い、目的型の来場を増やす選択をしたと見ることができる。