大企業28社の25年合計収益は前年比16.7%減、純利益は30.8%減

この歪みは、もともと2022年以降のロシア経済を一時的に支えた仕組みの裏返しでもある。侵攻直後、軍需産業への国家支出と財政刺激は「軍事ケインズ主義」とも呼べる過熱を生んだ。

深刻な労働力不足を背景に名目賃金は上がり、消費が膨らみ、それが成長を演出した。だが砂糖を舐め続けた身体に二日酔いが来るように、刺激が後退し高金利が利き始めた瞬間、すべてが逆回転を始めた。

中央銀行総裁が2025年に「労働力と生産資本が枯渇した」と認めたとおり、成長を支える原資そのものが尽きたのである。財政も同じ穴に落ちた。2025年の石油・ガス収入は前年比24%減、予算赤字はGDP比2.5%に達し、年初予測の5倍に膨れ上がった。

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稼ぎ頭が痩せ細るなか、政府は付加価値税の引き上げで穴を埋めようとするが、冷え込む経済に増税を重ねれば、消費はさらに縮む。出口のない循環だ。

その結果が、企業決算にむき出しで表れている。ロシアを代表する大企業28社の2025年合計収益は前年比16.7%減、純利益は30.8%減という壊滅的な数字を叩き出した。

石油大手ルクオイルは1兆600億ルーブルもの純損失を計上し、過去30年で初めて年間赤字に転落した。ロスネフチの純利益は前年の4分の1に激減し、国有のロシア鉄道に至っては純利益が22分の1へと吹き飛んだ。

これは不況という言葉では足りない。基幹産業の崩落だ。

第1四半期だけで20万9000社が清算に追い込まれた

体力のない中小企業はさらに早く倒れる。2026年第1四半期だけで20万9000社が清算に追い込まれた(自主的・行政的清算登録含む)。

小売、美容室、レストランといった市民生活に直結する商売が次々と店を畳んでいる。そして、企業の資金繰り破綻は最も弱い者へしわ寄せされる。

未払い賃金の総額は2026年4月時点で前年同月比94%増、2025年初頭からおよそ6倍に膨れ上がった。働いても給料が出ない。それが特例ではなく、建設や電力供給の現場で常態化しつつある。

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政府は公式インフレ率を5%台と発表する。だが、貯蓄を持たない低所得層が体感しているインフレ率は16.4%に達している。

年金や公務員給与は「現実」ではなく「公式」のインフレ率に連動して調整されるから、市民生活が確実に削られ続けていることは、プーチン大統領が必死に隠したい本丸である。

悪夢は続く。ウクライナによる長距離ドローン攻撃である。