「小さいと、人として下に見られやすい」

──ご自身で「ナメられやすい」と語っておられますが、その自覚はいつからあったのでしょうか。

素晴らしき人生・りょうちゃん(以下同) 小学校に入ってからですね。ずっと背の順は一番前で、僕の感覚でいうとチワワを見て怖いと思わないのと同じで、背が低いと人として下に見られやすいんです。小学生のときは、気も弱かったので、いじめられたこともありますし、スポーツでも不利でコンプレックスでした。

でも、負けず嫌いでもあったので、「デカくなりたい」という気持ちはずっとあって。牛乳を毎日飲んだり、背伸びしたり、できることはひと通りやっていましたね。

小学1年生の頃のりょうちゃんさん 写真/本人提供
小学1年生の頃のりょうちゃんさん 写真/本人提供

──中学生になっても身長が伸びなかったとのことですが、「小さいこと」へのコンプレックスや意識に変化はありましたか。

「小さいからってナメられたくない」という気持ちが強くなりましたね。もともと目立ちたがりでもあるので、整髪料で髪を立てて、入学初日に学校で一番恐れられている先輩に「ウイーッス!」って挨拶したんです。でもそれで目をつけられちゃって。

──かなり無茶な行動な気がします。

そこから、“リアル鬼ごっこ” が開催されるようになって。登校すると「今から10秒数える。捕まらないように逃げろ」って言われて、そこからは放課後まで逃げ続けないといけないんです。

マンガ『クローズ』みたいなヤンキーの多い学校で、保健室は常にケガ人でいっぱいだったので、捕まったら本当に終わりだとはわかっていて。授業に出られない日もあり、3か月くらい必死に逃げ続けました。ほかにも「ちょうどいい高さだから」と、野球部の先輩が僕の頭すれすれで素振りをすることもありました。

──日常的に標的にされるような状況で、どうやって乗り切ったのでしょうか。

あのころは、立ち回り方を覚えた時期だったと思います。

当時は自分の顔がめちゃめちゃ可愛かったので、女子が守ってくれたんです。「やめなよ、この子にそんなことするの」と間に入ってくれたり。小さいなりの処世術というか、女子に甘えるのがうまかったんです。中2で転校するまで大きなケガもなく過ごせましたね。

私服のりょうちゃんさん。靴のサイズは22.5cm。最近、小学生の甥っ子に「キツくて履けなくなった靴をあげる」と言われて、試しに履いてみたらブカブカで履けなかったことがあるそう 写真/本人提供
私服のりょうちゃんさん。靴のサイズは22.5cm。最近、小学生の甥っ子に「キツくて履けなくなった靴をあげる」と言われて、試しに履いてみたらブカブカで履けなかったことがあるそう 写真/本人提供