とりあえず米を炊いてみよう

人間は歳を重ねるほどに幸せになるべきだと思っている。考えてみよう。今が幸せなら過去の素晴らしく幸せだった時期は全く思い浮かばない。2日前のことすらおぼつかないはずだ。私たちは幸せになるために貯金する。お金だけ貯めるのではなく、健康も一緒に重視してほしい。これこそが真の富者だ。せっかく貯めたお金が病院代に消えたりするのはあまりに惜しいではないか。

まずはご飯から始めよう。一度も米を炊いたことがないならむしろ好都合だ。せっかくだから、初めてご飯を炊く瞬間を録画しよう。米を洗い、手の甲を利用して水を切ってもいいし、計量カップを使ってもいい。とりあえず米を炊いてみよう。

柔らかめでも硬めでもいい。どうしてそうなったか、その理由を考えて成功するまで何度もトライすれば、自分だけの水加減で炊いたご飯ができる。米をまともに炊けるだけでも、健康に一歩近づく。このスキルは1週間もあれば十分に体得できる。

まずはご飯を炊くところから
まずはご飯を炊くところから
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次に2〜3種類の汁物に挑戦しよう。醤油、塩、塩辛で味を整えるだけで完成だ。複雑な方法ではなく単純な料理法を見つけて学ぼう。

最後に2〜3のナムルの和え方を身につけよう。味噌、コチュジャン、胡麻油(あるいはエゴマ油)、これを入れるだけでナムルを和えることができる。もうこれでよし。ご飯と汁物にナムルひとつ。これで十分だ。人生に最重要かつ有益なスキルが身につけられる。

執筆に夢中になっていると欲知島に雨が降り始めた。ひと休みしよう。

大根を切って鍋に入れ、マグロの魚醤とうす口醤油で下味をつけてからぐつぐつ煮る。練り物と青唐辛子をひとつ入れ、練り物がぷかぷか浮いてくるまで煮る。味を見て、少し薄味なら粗塩で味を整える。火を消して胡椒を軽く振りかけて仕上げ。これで「おでん」のでき上がりだ。

おでんのスープをカップに一杯入れて窓辺へ行き、雨の海を見ながらすする。精神が冴えて気分は爽快だ。文章を書きたくなる。意欲も溢れる。

おでんのスープを煮るのに15分。料理ができなければ、車を走らせ店まで行き、注文して食べて帰るまで、あっという間に1時間が過ぎるだろう。時間はもちろん気になるところだが、海を見ながらスマートに私が望む味の料理を食べること自体が、店では不可能である。

みなさんもぜひ実行してほしい。まずはインスタント食品を食べ、文章を書いて、本を読んでみよう。その次に、自分で作ったご飯を食べ、書いて、読んでみれば、完全に違う感覚を抱けるはずだ。

#3に続く

文/コ・ミョンファン 写真/Shutterstock

どん底から最高の人生に変わる「古典」の知恵
コ・ミョンファン (著), 小笠原藤子 (翻訳)
どん底から最高の人生に変わる「古典」の知恵
2026/5/22
1,980円(税込)
280ページ
ISBN: 978-4799332818

★韓国15万部突破★
★教保文庫出版アワード2024「今年の作家賞」受賞作★
★ノーベル文学賞受賞者ハンガンとの同時受賞で話題となった書籍、待望の邦訳★

人生の答えは、すべて古典が知っている
―― 主体的に生きるための独自の答えを見つけ出す実践的読書術

絶望の淵で実証された「古典」の力があなたの人生を大好転させる。

人生の答えはすべて「古典」が知っているというと、あなたは大げさだと思うでしょうか。
しかし、これは決して大げさではありません。確固とした事実なのです。
なぜなら、著者は、交通事故によって余命3日という宣告を受け、すべてを失ったあと、古典に読みふけることで得た知見によって、人生を大好転させたのですから。

まさに著者こそ、「古典の力」の体現者と言えるでしょう。

また多くの成功者は、古典を読んでいることは旧知の事実です。
それは、人間に悩みの根底にあるものは古今東西変わらないことを知っているからでしょう。
人々は、進化しながらも、結局同じことを続けているものです。だから、古典を紐解けば、答えにたどり着くことができるのです。

「古典」という数千年の経験が凝縮された最強の武器を手にしたとき、あなたの人生は確信に満ちた、新しいステージの幕を開けることでしょう。

【目次】
はじめに 人生の答えはすべて「古典」が知っている

第1章 自分の正体を知る――私は何者だろうか
なぜ、グレゴール・ザムザは「虫」に姿を変えたのか
2×2の答えとは?
なぜ、ドン・キホーテは老いてなお冒険の旅に出たのか
カミュや芥川が描いた「暗い欲望」を自分の中に認める
知らないことが増えるとき、人は成長する
自分の中に眠る「星の王子さま」を目覚めさせよう
少し足りない状態が満足を生む
古典を読み、時間を味方にする
主人公に深く感情移入し、自分の価値を高める
イワン・イリッチと一緒に人生の方向性を見つける
さっと通り過ぎ去った時間の意味を考える
誰かの影としてではなく自らの翼で羽ばたこう
あらゆるものは繋がっている

第2章 自分らしい生き方を知る――どう生きればいいのか
今まさに幸せでいることの秘訣は「素朴」にあった
なぜ、いつまで経っても望みがかなわず不幸なのか
苦痛のない快楽はない
人のために生きることこそ自分を幸せにする
強い子どもは自然の中で育つ
どれほど所有すれば幸福になれるのか
「あれ」を捨てて「これ」を拾う。老子に聞く生き方
500年前の敗戦記から失敗しない方法を習得する
努力の仕方ではなく努力の方向を変えてみる
知っていることは実践できていると錯覚してはいないか
何気ない日常の一食から人生の喜びを!
自分の人生を生きるために、いつも死を覚悟する

第3章 自分にしかできないことを知る――何をすればいいのか
とりあえず始めよう。計画はそれからだ
チャンスの音はどこから聞こえてくるのか?
1日たった10分、ただ「考える」を始めよう
「被害者」ではなく「冒険家」の目で見る
古典で身につけた力を実生活に取り入れる
失うことより得ることを信じて一歩外に出てみよう
勝ってから戦う。孫子の兵法こそ、最強の戦略だ
必死に描き続ければ独自のスタイルが出せる
ぼうっとしている時間は、何もしていない時間ではない
なぜ、『若きウェルテルの悩み』で憂うつ症が消えたのか?
料理こそ、身につけるべき人生最強のスキルである
読み、歩き、考え、そして書く。こうして人は完成する
古典を1時間読めば、どんな不安も消えていく

おわりに 自分がいるべき場所を見つけよう
本書で言及された古典

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