「食事をまともにしていない」は悪
久しぶりに後輩から電話がかかってきた。
「ちょっと料理を教えてくれないかしら?」
「なんでまた突然?」
「仕事でまともに食事もできずに撮影してたら、体がぼろぼろになっちゃった。考えてみたんだけどね、こんなこと続けて大病でも患ったら、稼ぐどころか、むしろ赤字よね」
私が得意としていることの中で最も有用だと考えられるのが「料理」だ。このスキルには我ながら本当に感謝している。
稼げることは言うまでもないが、後輩の言うとおり、料理ができなかったら、稼ぐより病院代がかさむのは目に見えている。最近、いきなり連絡してきた後輩以外にも、あちこちで体の不調を訴える人がいる。「食事をまともにしていない」ことが原因だ。
人間は毎日2〜3食を摂る。50年毎日しっかり食べた人と、適当に済ませた人の体に違いが出ないわけがない。料理ができなければ、病気になる確率はかなり高い。これは当然の結果の表れだ。
欲知島で文章を書きながら過ごしている間にも、私は、島で元気に育ったナズナを摘んできて、テンジャンチゲ(韓国の味噌を使った汁物料理)を作って食べる。健康的な食事を摂って文章を書くときと、インスタントラーメンを食べて文章を書くときとでは全く違う結果が出ることを数年間の経験から悟った。
豪華で高級な料理を食べろというのではない。簡単で質素な食事でも、自分の意思と真心がこもった料理を食べるべきなのだ。家庭料理を食べれば不思議と健康になる理由は、料理をした人の愛が込められているからだ。
最近、あなたが食べている食事を思い出してほしい。どうだろうか? 大量生産のためにまるで機械がコピーするかのように作った食べ物には真心と愛が込められようがない。絶対に食べるな、とは言わない。状況が許さず、仕方なくそういう食事を摂る日もあるだろう。大切なのはバランスだ。最低でも一日一食はまともな家庭料理を食べるようにしよう。
誰かに頼ることなく、自分で料理をして食べるのはどうだろうか。難しくはない。基本的ないくつかの点だけを学び、いったん始めてみよう。本来ならひとつ屋根の下で家族全員が料理できるのが理想だ。
料理は人生でいちばん有用な習慣だ。1年コツコツとやれば習慣になる。調理時間も短くなる。たった1回作ってみただけで「時間がこんなにかかるのに、どうして毎回作って食べるの?」と投げ出さないでほしい。料理は人生を最も豊かにしてくれるスキルだ。お願いだから、1年だけやってみてほしい。













