欲をむき出しにする人たちへの共感
──ご著書では、自身のさまざまな「欲」をあけすけに語られています。テレビの第一線で活躍し続け、YouTubeなどにもフィールドを広げた現在でもなお、欲がなくならない理由はなんでしょう。
古舘伊知郎(以下同) あさましい理由もあります。他人から「スケベじじいだ」と指摘されるより先に自白しまえば、多少は免罪されるのではないかと思っているんです。
それから、欲をむき出しにして生きる方が、自分のなかにある欲を隠して上から目線で評論する人たちよりもずっと正直でいいのではないかと、僕が思っていることもあります。
──最近では、YouTubeのキャバ嬢オーディション番組『LAST CALL』についての言及が印象的でした。整形してキャバ嬢として売れようとする女性に対して、古舘さんは好意的でしたね。
はい。ちょっと小難しい話ですが、浄土真宗の宗祖・親鸞は悪人正機説を唱えました。親鸞は、「善人でも極楽へ行けるなら、悪人はまっ先に行けるだろう」と指摘した人だと僕は考えています。なぜなら悪人は、自分のなかにある欲と善人より向き合ったからです。
『LAST CALL』に出演するキャバ嬢の志願者たちは、自覚している容姿の弱点を整形で克服して、客からの指名をどんどん獲って売上を作る……いいじゃないですか。「世のため、人のため」みたいな嘘をのたまう一部の大資本家より、よほど気持ちがいいですよ。
「キャバ嬢として売れたい」という欲をむき出しにする人たちのほうが、ネット上で見て、それを叩くだけの人たちより正直だと感じます。













